卵を割らなければ

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4/3/2025, 1:11:31 PM

君と

き 「君は白身?」
  と君が聞く。
  うなずくと

み 「認めないよ」
  と君が言う。

と とまどってると

し 「白身は白身で黄身は黄身。
  黄身は白身?って問われて
  肯定するのはおかしいよね」

ろ ロジックが変なんですけど、
  この黄身。めんどくさい。

み 見てる。こっちをじーっと見てる。

4/2/2025, 10:54:51 AM

空に向かって

そ 空へと続く道がある

ら ラベンダーの
  線香に似た香りに包まれて
  私は歩く

に 虹の橋を渡ると

む 紫色のラベンダー畑に着いた

か 悲しみが押し寄せて

つ ついにこんな所へ
  来てしまったのだと知る

て 天国へと

4/1/2025, 10:29:05 AM

はじめまして

は 「はろー。

じ 実は私、猫飼いはじめたの」
  「そうなんだ」

め 「めずらしいオスの三毛だよ。
  はい、写真」

ま 「待った。これのどこが猫?」
  「みかん箱の中にいるんだよー」

し 「……四月一日だからねー」

て 「てへっ。ばれたか」

3/31/2025, 11:04:24 AM

またね!

ま まだ別れて1日と経っていない
  だろうに

た 訪ねてくる小学生の坊や。

ね 「ねーねー、あそぼーよー!」
  と道ばたから叫んでいる。

! 「!」
  友だちの声に孫が反応する。
  「あそぶー!」
  と元気いっぱいとびだしていく。

3/30/2025, 12:47:23 PM

春風とともに

【1.For 中高生】

は 「春の野をかけまわりたいなあ」

る ルビー色の目をキラキラさせた
  雪うさぎ。季節外れの春の雪で
  作られた。

か 「風はもう

ぜ ぜんぜん冷たくないね」

と 溶ける。溶ける。「でも

と 溶けるのは『雪』だけさ。
 『雪うさぎ』から

も もうじき本当の『うさぎ』に
  なれるんだ」

に にっこり笑って消えた雪うさぎの
  魂を、春風は春の野へと運んだ。
  そこにはたくさんの透明な
  うさぎたちが春の喜びに
  かけまわっていた。


【2.For 中高年】

は 「春の5Kって知ってる?」

る 留美子が言った。
  敏江は「知らない」と答える。

か 「花粉、黄砂、寒暖差、強風、
  あとなんだったかな。そうだ、
  乾燥だってさ」

ぜ 「絶望的だわね」

と 敏江は花粉症だ。長く厳しい冬が
  終わり、ようやく春が来たという
  のに春は春で受難の春だ。

と とくに今年は寒暖差がつらい。

も 「もう異常気象過ぎるよねー」
  留美子が溜息をつく。
  敏江もうなずき、

に 「日本はどうなっちゃうのかしら」と
  不安をにじませつつ煎餅をかじる。

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