君と
き 「君は白身?」
と君が聞く。
うなずくと
み 「認めないよ」
と君が言う。
と とまどってると
し 「白身は白身で黄身は黄身。
黄身は白身?って問われて
肯定するのはおかしいよね」
ろ ロジックが変なんですけど、
この黄身。めんどくさい。
み 見てる。こっちをじーっと見てる。
空に向かって
そ 空へと続く道がある
ら ラベンダーの
線香に似た香りに包まれて
私は歩く
に 虹の橋を渡ると
む 紫色のラベンダー畑に着いた
か 悲しみが押し寄せて
つ ついにこんな所へ
来てしまったのだと知る
て 天国へと
はじめまして
は 「はろー。
じ 実は私、猫飼いはじめたの」
「そうなんだ」
め 「めずらしいオスの三毛だよ。
はい、写真」
ま 「待った。これのどこが猫?」
「みかん箱の中にいるんだよー」
し 「……四月一日だからねー」
て 「てへっ。ばれたか」
またね!
ま まだ別れて1日と経っていない
だろうに
た 訪ねてくる小学生の坊や。
ね 「ねーねー、あそぼーよー!」
と道ばたから叫んでいる。
! 「!」
友だちの声に孫が反応する。
「あそぶー!」
と元気いっぱいとびだしていく。
春風とともに
【1.For 中高生】
は 「春の野をかけまわりたいなあ」
る ルビー色の目をキラキラさせた
雪うさぎ。季節外れの春の雪で
作られた。
か 「風はもう
ぜ ぜんぜん冷たくないね」
と 溶ける。溶ける。「でも
と 溶けるのは『雪』だけさ。
『雪うさぎ』から
も もうじき本当の『うさぎ』に
なれるんだ」
に にっこり笑って消えた雪うさぎの
魂を、春風は春の野へと運んだ。
そこにはたくさんの透明な
うさぎたちが春の喜びに
かけまわっていた。
【2.For 中高年】
は 「春の5Kって知ってる?」
る 留美子が言った。
敏江は「知らない」と答える。
か 「花粉、黄砂、寒暖差、強風、
あとなんだったかな。そうだ、
乾燥だってさ」
ぜ 「絶望的だわね」
と 敏江は花粉症だ。長く厳しい冬が
終わり、ようやく春が来たという
のに春は春で受難の春だ。
と とくに今年は寒暖差がつらい。
も 「もう異常気象過ぎるよねー」
留美子が溜息をつく。
敏江もうなずき、
に 「日本はどうなっちゃうのかしら」と
不安をにじませつつ煎餅をかじる。