散々な幸福

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8/15/2024, 4:08:37 AM

自転車に乗って助けに行けたら良かった。
補助輪が取れない。
手のひらも、腕もこんなに心許なくて、走っていくにも僕の歩幅のなんと狭いことか。

びゅんびゅん風を切れたらよかった。

夏の色と一緒に、君が死んでいく。
褪せて、薄れて、汚れて。
顔さえもう分からなくて。

それでも。

「ずっと友達よ、わたしたち、離れてもずっと」

その、声ではなく言葉だけが、僕を追いかけてくる。
夏が来て、また。さよならの季節だ。

8/9/2024, 11:29:33 AM

上手くいかなくたっていいじゃん。
君が言った。
何でも上手くできる友達にそう言われたことがムカついて、うるさいだか、なんだか、ぶっきらぼうに返した記憶がある。

「好きです」

そんな君を振った。

「上手くいかないなぁ」

困ったように笑う君の、その言葉が。
なんだかとても嬉しかった。

8/7/2024, 10:08:49 AM

出会う前から、バイバイがあること。

8/6/2024, 10:26:49 AM

君は太陽だけど、私は向日葵じゃない。
ずっとは見てられない。目がきいんと白くなって倒れてしまう。
眩しくて熱くて、でもそれで。

それで焼け死ねたらなんて幸福だろう。

8/5/2024, 2:14:49 PM

鐘の音がする。
今年がしぬんだ。

追悼のお蕎麦を食べながら、更にこんな時間にお餅までつついてしまう悪い子の私にも、明日はやってくる。

そこにもう「今年」はいないけれど。

欠伸を噛んで、知らない芸人がカウントダウンしているTVを消して、炬燵に肩まで潜り込んだ。
歯磨きしてないし、電気つけっぱなしだし、食べたばっかりだし、そのお皿は出しっぱなしだ。

でもなんだか、なんだか。
今年の死に際をゆったり迎えたくて。

なんだかんだありましたが、お前はいいやつだったよ。

微睡みの真ん中でそんなことを思ったりして。
今年最後の自分は詩人のようだと少し笑った。

さようなら、バイバイ。

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