夢路 泡ノ介

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3/12/2024, 11:29:34 PM

識る者は苦を数多に、識らぬ者は楽を覚える。
苦楽とは心を無と個とで揺さぶり、生き方を変質させる。
一度に浸かれば深みに沈み、しかしその気があらば這い上がることができるのも識るということ。
問題は、どうやって覚えるかだ。

【もっと知りたい】

2/27/2024, 12:28:49 AM

僕から去って幾星霜。
報せも噂も風にも来ず。
思い出に塗れたかつての頃。
少しでもいいからもう一度。

【君は今】

1/23/2024, 11:21:25 PM

叶うこと能わず。
触ること能わず。
なのになぜ、思い出してしまうのだろう。
二度とないのに、あのひとときが恋しい。
これが、夢というものなのか。
不思議と受け入れてしまうものだ。

【こんな夢を見た】

1/21/2024, 2:45:41 PM

カーテンから漏れる淡い光を仄かな灯りに、
なおも暗い部屋でお互いに額をくっつける。
艶かしく零れる吐息が肌にかかり、
ふと離した女は淋しげに見つめてきた。
言葉は交わさず、眼差しで求めてくると、
甘美に唇を重ね、愛を念じて伝え合う。
やがて影をくねらせ、恥じらうも嬌声を上げ、
共に落ちてゆく感覚への悦びを覚える。
ひとりぼっちの月夜は今日だけ戸締り。
肌身を寄せて孤独を置き去りにして。
もしかしたらこの日だけかもしれない。
褥を共に、ぬくもりで傷を癒すこの時が。

【特別な夜】

1/18/2024, 12:38:33 AM

朽ちる流れに身を任せ、
気儘な寒空が肌を隠させる。
来たる暮相は曙色に染まり、
終を告げる風はどこか優しく。
外套を纏って帽子を目深く、
閑散に包まれた街路を歩く。
現世の石畳をあてもなく辿り、
堅い靴音と日常が木霊する。
微風が裾を翻し、
頬をよぎるそれにどこか嬉しく、
朱色一つの今世でもまた、
ひとりぼっちの旅が始まる。

【木枯らし】

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