寂しい…
あの事件が、あってから。
私は天涯孤独だ。
一人の男によってそうなってしまった。
あの日、私は帰宅を急いでいた。
親戚一同揃う特別な日。
家族大好きな私は浮足立っていた。
家のドアを開けると
生臭い匂いが鼻腔を攣り抜ける
急いで部屋に急ぐ。
其処には忘れたくても忘れられない悍ましい
記憶。
部屋の中は死体で溢れかえり、
ソファー。カーテン、床にも血が跳ね返り
床には血で水溜りが出来た。
其処からの記憶は曖昧だった。
ニュースには"一族殺害事件"と題され
幸い犯人はすぐ逮捕された。
だが、家族が戻る事はない。
孤独感が私を襲った。
あれから施設に引き取られ、5年がたった。
周りも事件を知っているので、
気まずいのだろう、声を掛けてくれる人もいなかった。
周りを見れば幸せそうな家族が溢れ、
カップルも多く見かける。
私もあんなことがなければそうなっていたのだろうか?
でもあの記憶を消すことは出来ない。
周りに人がいない私は孤独だ。
「寂しい…私も連れて行って」
家族のお墓の前でそう願うのだった。
「ったく…こんな時に…風邪なんか…」
明日には大事なコンクールが有る。
この日のために一年間、死に物狂いで
準備して来た。
このコンクールで優勝すると
欧州での留学に、特待生として行ける事になっている。
小さい頃から思い描いていた夢を叶えるためには
必ず通らなければならない道だ。
だからこそ、この風邪はとても
考えられない失態であった。
案の定、対策はしたが
結果は10位と云う散々な結果となってしまった。
惜しい順位で有れば涙は出たのかもしれない。
ただ今回は完璧に自分が悪い。
自分の体調管理不足は否めない。
来年も有るがそろそろ自分も現実を見なといけない
年齢になってしまった。
今回で最後かなと思っていると
家族から"来年も頑張れ"とメッセージが届いた。
応援してくれている家族のためにも諦めることはできなかった。否、出来るわけがなかったのだ。
来年は風邪如きに自分の、家族の夢を
邪魔させない。
と心に誓った。
周りを見れば愛を注がれている人を
多く見かける。
確かに親親戚には私も
愛を注がれているが
26年生きてきて友達職場から
愛というものに恵まれてもなかった。
よく愛を欲しがるのは
家族から愛されなかった人と言われているが、
身内以外での愛を欲しがる人も多数いるであろう。
其の解消方法が分からないだけである。
悪い道(闇系ではないが)進んだこともあった。
一瞬の愛はもらえたりもするが、
物足りない、そういうものは
一時的でしかない。
世の中ルッキズム?というもので
愛を多くもらえるのは容姿端麗な人だ。
この世も世だとは思うが。
私は誰かから愛を注がれる日は来るのだろうか。
まずこの皮肉れた思考を捨てなければならないのだろうが、26年で蓄積された性分は治るのだろうか。
文を書くということで鬱憤は晴らしてはいるが、
さてこれも私のかく物が好まれるのか?
同じ思考はいるのだろうか?
この世に希望を持ってもいいのだろうか。
誰か私に愛をそそいでください…。
テーマ:何でもないふり
君に恋人ができたようだ。
13年と云う長い片思いだった。
幼稚園からずっと一緒だった。
僕がもっと大人で男らしかったら
君は僕を選んでくれたのだろううか?
生憎僕はどちらかというと
中性的で病気がちで君の好みの正反対だったね。
恋人ができたと楽しそうに
僕に話してくれるけど
僕が何にも思ってないとでも思っているのだろうか。
今更考えても仕方ない。
…と諦められたらどれだけよかったか。
何でもないふりなんてできるか。
君と其奴が別れるまで待ってやろうじゃないか。
君のことを一番わかっているのは僕なのだから。
だから今は"何でもないふり"をしていてあげる。
"仲間"とは
ぼくの中で儚いものだと思っている。
一旦"仲間"と呼んでも
其の属するコミュニティーから
離れて仕舞えば"仲間"ではなくなる
相手の興味が無くなれば"仲間"ですらなく
"赤の他人"だ。
自分から“仲間"を探しに行くのにも
エネルギーを消費し、
"仲間"から外れれば多少なりの
ダメージをも喰らってしまう。
なのに、人は何故"仲間"を探してしまうのだろう。
"仲間"という言葉で安心するのであろう。
しかし、其れは"縛る"物でもあるのだろう。
後者の考えを持ってしまった、ぼくは
もう"仲間"には、"仲間"をつくる事にも
戻ることはできないのだろう。
其れは"孤独"の始まりでもあるのだけれど…