"夫婦"とはどんな感じだろう。
書類で正式に認められる"夫婦"
僕たちには書類を出すこともできない。
聞けば都会の方だとパートナー申請??と
云われるものがあるようだ。
ここまで云えば分かるように
僕たちは所謂、同性カップルだ。
パートナー申請?の為に都会に引っ越すのも
手間だな…と彼も言っていた。
ただ、ここ最近、
「...夫婦か」と口に出すことの多くなった彼
何かしらの理由があるんだろうが、聞けなかった。
ソファーでそんなことを考えていると
玄関からガチャリと音を立てて入ってきた彼
その手には某有名なジュエリー店の袋を持っていた。
「おかえり」と彼に告げ、ソファーに招いた。
ストンっと大人しく座る彼。
少しの間、二人ともお気に入りのテレビ番組をみて
談笑しあった。
ふと、左の手に金属のような冷たい感触が主に薬指に
感じた。
そこには先ほどの某有名なジュエリー店の指輪が
嵌められていた。
「...俺たちは、書類上での結婚はまだ出来ない。
だが、神に誓うことは許されるだろう。
紙に残すかどうかの話だ。だが、君とずっと居たいのだよ...どうか、夫婦になってくれないか?」
照れながら顔を隠しながらぼそっと伝えてくる彼に
今までの悩みも全て吹っ飛んでしまった…というか
解決してしまった。
彼は悩んでることの一節を"夫婦“ということを口に出てただけだった。
僕が頭の中で考えてた最低なストーリーより
余程良かった。
「ぜひ、夫婦になってください。…さて、どんな夫婦になるかなぁ」とこれからの新婚生活に目を輝かせた。
夫婦/ 豆豆腐
※すいません、いつもよりグダってしまいましたが
大目に見てください。いつもありがとうございます
こんな未熟者ですが、よろしくお願いします🙇
ーどうしたらいい?
その医師からの宣告に
ショックより先に疑問が浮かんだ。
進行性肝臓癌、それも末期だそうだ。
余命は数ヶ月から1年。
身体の強い倦怠感や、食欲不振や体重減少で
この病院を受診した。
もともと来る予定ではなかったのだ。
友人のすすめや、職場の上司に
見破られたのだ。
"別に大丈夫だ、疲れただけであろう"と
何度断っても、彼等が折れることは無かった。
それほど、おかしく見えたのだろう。
そんな彼等に"何ともなかった!"と誇らしげに
帰る予定だった。
まさか自分がこの様な病気に、
余命宣告されるまで進んでいたとは気づかず、
夢にも思わなかった。
どうしたらいい、、?は素直に感じた
仕事の事、家族の事、友人の事、
すべて治療のために手放さなければならない。
この無機質な"病院"という空間で過ごさなければならない。
ただ、1番頭を悩ますのは
まだ、想いを伝えていない、彼女の事だ。
俺はまだ好きを伝えていない。
だが、この様な、爆弾を抱えた身体、
余命も長くて1年。
彼女ともし付き合えても苦しめるだけであろう。
彼女を苦しめると分かっていて
この好意を伝えるのは俺は責任を取れるのだろうか。
ずっと考えているとき
ふと頭をよぎった。
ーー彼女に伝えて苦しませるという自分の苦しみ
その苦しみを抱えながら
俺も、息絶えよう。
さぁ、俺はどうしたらいいー…?
どうしたらいい? 豆豆腐
宝物…と言われて
他人はどう解釈するだろう。
命みたいなものを指す人
金銀財宝みたいなものを指す人。
どちらもあっていてどちらも儚いものである。
ただ、私はこうやって字を綴る時間だと
思う。
字を綴る時は
お金みたいに無くならず
いのちみたいに激しくは燃えない。
ただゆったりと静かな時間が流れるのみだ
私はそういう時間を宝物とでも
呼ぶようにしている。
無論、異議を申してくる方も出てくるだろうが
個人的な解釈での話だ。
大切なものには代わりないので
それを大切にすれば良いとおもう。
思うように伝わらずとも
字に綴った事が大事なのだから。
そのゆっくりとした時間が私にとって
宝物だ。
暗闇の中でぼうっと炎が揺らぐ
僕はただそれを見ている
何時間くらい経っただろう。
ふと我に帰って時計を見てみると
2時間と少し過ぎていた。
こう時間を忘れて考えてしまうのは
明日の仕事のことだ
今日、大きな自分らしくないミスを犯してしまった。
故に明日行くのが少し恐ろしく思えてしまったのだ
明日取引先に謝らなければならない。
その事実だけが心に重く引っかかっている
だが、キャンドルの炎を見ていると
なんと言うか、少しばかり
虚無の時間ができる
考えることは考えるのだが、
瞬間では忘れることもできる
どうせ謝りに行く事実は変わらない。
もう少しの間、キャンドルを見て
現実から離れてみようと思う。
11/20
豆豆腐