柚子の匂いだ…
と彼が云う
周りをスンスンと匂いを嗅ぐと
たしかに微かに柚子の匂いがする。
でもよく匂わないと分からない位
微かなものだ
彼の敏感な感覚や感受性が強い所には
感心する。
ただ、人の言葉を真正面から受け取り
弱音を吐く事も多々有る。
所謂、人との境界線が薄いと思う
だが、私とは正反対な所に惹かれている私としては。
其の心を忘れずにこれからも生きていてほしいとさえ
思ってしまう。
柚子か…
柚子のアロマはみんなを癒してくれる。
彼も私を癒してくれる。
「貴方も柚子の匂いだね」
彼は何のこと?と云う顔をするが、
私しか知らなくていい。
貴方に癒やされていることなんて。
「ううん?何でも?早く帰ろ。鍋を作るんだから」
彼の手を引いて帰路を急いだ。
12/23/2024, 3:28:43 AM