豆豆腐

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12/8/2024, 5:39:00 PM

「ありがとう、ごめんね」

20年過ごしてここに骨を埋めると言っていたが
仕事の関係でこの街を去らなければならなくなった。

ここで生まれ、街の人にも恵まれ
友達とも楽しんだこの街。

そんな周りにも
「ここで一生暮らすんだ」と、言っていたのだが
周りも「約束だぞ!」とか「いなくなるなよ」等
沢山愛してくれた。

"約束"したけど其の約束は果たせなくなって
しまった。

最後の日になり
電車のホームに友人が集まってくれた
みんな私のために泣いてくれた。

発車の時間になり、最後は笑えてないかもだが
笑って別れた。

発車し、皆んなの姿が見えなくなった瞬間に
涙が溢れてきた、
周りの客にも聞こえないような涙声で
冒頭の言葉を述べたんだ。

12/6/2024, 2:33:32 PM

「逆さまだよ?」

"愛の順番"についての討論会
隣に座っている華奢な体格の女の子に
指摘された。

「好きだから愛になるんだよ?
好きじゃないと愛そうなんて思わないじゃない」

確かに云われればそうなんだが
僕の中にあるのは

「愛せる部分があるから好きになるんだと思う。
少しでも愛せると思う部分がないと好きにならないと僕はおもうんだけど…。」


そう答えると"確かに…愛って難しいね。"
と、頭を抱えてしまった。

実際どうなんだろう。
周りの意見をこういう機会でしか聞くことができない

しばらくして彼女はこう言った。

「男女としても人間としても私たちは逆さまだね」


この世の人間は結局誰かの"逆さま"何だろうと
この時僕は悟ったんだ。

12/3/2024, 3:52:31 PM

相棒との最後の仕事になった。
東京へ上京するみたいだ。
俺のことは連れていかないみたいだ

長年連れ添って仕事をしてきた。
情もあるはずだし
俺以外にやりやすい相手もいないだろうと自負していた。

この仕事が終われば有給消化に入ってしまう。
俺はまだ離れたくない。
頭脳派の此奴と体力おばけと言われる俺
周りがみてもベストだろう。

「さぁ、行こうか、最後の仕事だ」

終わらなければいいのに、
そんな心に反して仕事は着々と終わっていき
1時間後の定時まで10分の頃には終わってしまった。

これで最後か…まだ実感がわかない。

「今までありがとうな、さよならだな」
軽く挨拶をされる。
うざい。終わらせようとするな
幸い此奴の行く先なんて分かってる。
お前がその気なら俺だって。
ニヤリと笑いながら「あぁ、」と軽く返した。

数ヶ月後

「な、なんでお前、此処にいるんだ!」
声を荒らげたのは此奴だった。

「さぁ、たまたまいいなと思ってたからな、
さすが元相棒ってことだろ、さよならなんて言うなよ」

そう、さよならがいやな俺はわざと此奴の転職先に
入ってやったのだ。

さよならなんて云わせない為にな

※グダリました!すいません💦

11/30/2024, 12:49:24 PM

「泣かないで」

今日は彼女との結婚式だ
4年という長い間待っていてくれた。
病気になっても信じて俺を待ってくれた
良い彼女だ。


式は良いと言ってくれたが
俺がどうしてもと伝え写真だけだが
承諾してくれた

お互いの準備も終わり
初めての対面だ
カーテンを開けると純白のドレスを
身に纏った彼女がでてきた
その姿にこらえていたものが溢れ出る
止めようと思っても溢れる涙は止まってくれない
その姿を見て彼女から
『泣かないで」と云われた

「最後の幸せな写真なんだから、私白血病になっちゃった。末期なんだよ。だからさいごの写真くらい笑ってよ」

頑張って笑顔を作ったが
告げられた事実に今までの涙とは違う涙が止まらない
俺が治ったばっかりなのに神様はなんと残酷なんだろう
彼女は俺の頬を撫でながら

「ごめん、ごめん、泣かないで、お願い、私も頑張るから、信頼して」

と彼女もないていた
そりゃそうか泣きたいくらい不安だろう
俺だってそうだったんだから
クイっと涙を袖口で拭き
彼女に告げた

「泣かないで…」と



なかないで/豆豆腐

11/30/2024, 5:56:26 AM

『ああ、冬の匂いがする…君は冬が好きかね❓』

片思い中の彼が問いかけてくる
実際私は冬は苦手だ。
彼の為におしゃれしても外套を着て仕舞えば
見えないしお化粧をしても
寒さで顔が幼児みたいに赤くなる
今の私には好きになることなんて
なかった

『私は苦手です。あなたは好きなんですか❓』

彼は少し先を歩いていたが
立ち止まり振り返った
『ああ。好きだね。雪の降る景色も実に綺麗だ、
 …あと、寒いことを理由にこうやって君に触れることもできる』

と、私の腕に腕を重ねてきた
この人は私があなたのことを好いているとわかってやっているのでしょうか。

そんなことを考えながら彼を見つめていると
彼から見透かされたような顔で話しかけられた

『君は私が気づいてないと思っていたのかい?
 君が私のこと好いているとわかっていたさ。
 そして私も君を好いている、だが、付き合うには
 冬を好きになってもらわないとね。
 おしゃれな服は私だけに見せてくれたまえ。
 赤い顔は私は可愛いと思うがね。
 さてもう一度聞こう。  
 君は冬が好きかね?」 

 ああ、私の負けだ、
 嬉しさと悔しさで感情がぐっちゃだ

『好きです。貴方も冬も」


これから私も彼も好きな冬が始まる
人生で初めて好きと思えた冬が始まる

  

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