『ああ、冬の匂いがする…君は冬が好きかね❓』
片思い中の彼が問いかけてくる
実際私は冬は苦手だ。
彼の為におしゃれしても外套を着て仕舞えば
見えないしお化粧をしても
寒さで顔が幼児みたいに赤くなる
今の私には好きになることなんて
なかった
『私は苦手です。あなたは好きなんですか❓』
彼は少し先を歩いていたが
立ち止まり振り返った
『ああ。好きだね。雪の降る景色も実に綺麗だ、
…あと、寒いことを理由にこうやって君に触れることもできる』
と、私の腕に腕を重ねてきた
この人は私があなたのことを好いているとわかってやっているのでしょうか。
そんなことを考えながら彼を見つめていると
彼から見透かされたような顔で話しかけられた
『君は私が気づいてないと思っていたのかい?
君が私のこと好いているとわかっていたさ。
そして私も君を好いている、だが、付き合うには
冬を好きになってもらわないとね。
おしゃれな服は私だけに見せてくれたまえ。
赤い顔は私は可愛いと思うがね。
さてもう一度聞こう。
君は冬が好きかね?」
ああ、私の負けだ、
嬉しさと悔しさで感情がぐっちゃだ
『好きです。貴方も冬も」
これから私も彼も好きな冬が始まる
人生で初めて好きと思えた冬が始まる
11/30/2024, 5:56:26 AM