一花

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11/17/2023, 10:08:33 AM

はなればなれになってもきっと君のことを見つけるからね

そんな言葉と空を閉じ込めたような瞳を物心ついた時から抱えている。前世の記憶、とでも言うのだろうか。

「……お前、じゃないよな?」
真っ白な毛並みの猫を抱き上げてその瞳を覗き込んでいたら、背後から何処かで聞いたような笑い声が聞こえた。


『はなればなれ』

11/16/2023, 8:19:33 AM

子猫を抱えた君の方がよっぽど捨て猫みたいに心細そうな顔をしていたから、ついまとめて面倒みちゃったんだよね。
今では二人ともうちでのびのびしてる、可愛い僕の子猫さん。


『子猫』

11/14/2023, 2:14:53 PM

誰かに呼ばれたような気がして振り返ると、大きな丸い夕陽が沈むところでした。
橙が群青に溶ける様をしばらく眺めていた私の頬を秋風がそっと撫でてゆきます。その感触はあなたの指に擽られたようで、思わず辺りを見回してしまいました。

誰も居る筈など無いのに。


『秋風』

11/13/2023, 10:25:25 AM

また会いましょう。
そう言って僕の手を離したあなた。
また、っていつ?来年?僕が大人になったら?それともどちらかの最期の時?

ならいっそ、来世でまた会いましょう。


『また会いましょう』

11/13/2023, 10:21:43 AM

スリルなんていらないな。
だって考えてもみてよ、君が無自覚にその辺の有象無象に笑いかけて余計な虫をつけてくるだけで僕は毎日ひやひやしてるんだから。これ以上は心臓がもたないの。

ほら、また分かってない顔してる。


『スリル』

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