一花

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誰かに呼ばれたような気がして振り返ると、大きな丸い夕陽が沈むところでした。
橙が群青に溶ける様をしばらく眺めていた私の頬を秋風がそっと撫でてゆきます。その感触はあなたの指に擽られたようで、思わず辺りを見回してしまいました。

誰も居る筈など無いのに。


『秋風』

11/14/2023, 2:14:53 PM