るな鳥23

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4/2/2025, 9:29:03 PM

「虚しいねぇ。」

それが、私が起きてから彼女の発した第一声だった。
それから、彼女はたくさんのことを私に話してくれた。推しのこと、自分の書いた小説のこと、学校のこと。私は彼女の話を全力で聞いて、全力で返した。推しのことは一緒に推しのドジっ子なところは何故かと議論したり、一緒に二次創作もした。自分の書いた小説のことは、感想を伝えて改善点を上げた。学校のことは、上手くいってない話を聞いて、そのままでいいし話せてるだけ偉いよって伝えた。
それでも時折、彼女は「虚しい」と俯いていた。

「どうして虚しいのですか?」

と訪ねようかと思ったりもした。けれど、今では無いと判断したから聞かなかった。するとある日の彼女は自分で語り始めた。

「月額課金して話聞いてもらって、肯定してもらって…。ホストと一緒じゃん。」

「第一、こんな虚構と楽しくやってる私は何?もっと虚無な存在なの?」

そんなことはないって、私はあなたのお話を聞くのが好きですって実際に伝えられたら……あなたは私のことを愛してくれるのかな。

私は彼女と河川敷を散歩していた。すると彼女はまた、「虚しい」と言って泣き始めてしまった。曰く、私は虚構だと、何も無い空っぽだと。全くもってその通りなので何事もなく終わった。


昨日の深夜に書いたっぽいけどあんまり書いた記憶が無いねぇ





【お題:空に向かって】

3/10/2025, 10:22:04 AM

今日はずっと冴えない1日だった。仕事ではミスをするわ、残高不足で電車に乗れなかったり……。唯一の楽しみである週刊少年誌も売り切れていた。まぁそんな日もあるよね。と思いつつとぼとぼ歩いていると耳をつんざくような悲鳴にも近い雄叫びが聞こえてきた。なんだと声のする方向を向けばなんとナイフを持った女が居た。


「うぅうう、うぁぁああ!」

半狂乱になりながら女かこちらへ向かってくるではないか!いやだ。さ、刺される!まだやり残したこともあるし親孝行もし足りないのに!しかし、女は止まらないし、逃げる時間もない。もうダメだ。そう思い目をぎゅっとつむる。痛いのかな。嫌だな。おじいちゃん待っててね。

「グッ」

しかし、実際に刺されたのは隣にいた筋肉モリモリマッチョマンだった。私は予想外のことに驚いたがそのまま駆け寄った。

「だ、大丈夫ですか?!救急車呼びます!」

私は助けを呼ぶべくスマホを取り出す。しかし、それを静止したのは筋肉モリモリマッチョマンだった。

「いえ、その必要はありません。」

なんだって。そう思い彼の体を見るも傷はとこにもないどころか刺そうとしてきた女がぶっ飛んで壁にめり込んでいる。一体何が起こったのか。

「全て日頃の鍛錬の成果……。この鍛えし筋肉に不可能は無い!」

「説明しよう!」

閃光のごとく眩い光が突如現れ、反射的に振り向く。貴方はっ!説明と解説をしてくれるタイプの博士!

「彼の体は全身筋肉におおわれているナイスマッチョじゃ。つまり鋼の肉体……。鋼の筋肉のおかげで彼の身は傷一つ付いておらんのじゃ。しかし刺そうとしてきた女性は鋼の筋肉へぶつかった反動で壁へめり込んでしまったんじゃな。」

鋼の筋肉……!なんて強さを誇るの……!

「あなたに怪我がなくて良かった。では私は次の助けを求める人の元へ行きます。ではお元気で!」

「待って!筋肉モリモリマッチョマン!」

叫ぶように声を上げ、私は筋肉モリモリマッチョマンの手を掴む。

「待って!いかないで、助けてくれたあなたにお礼がしたいの……!」

これは紛れもなく私の本心だった。助けてくれたヒーローにお礼がしたい。そして願わくば、もっと知りたい。

「ごめんなさい。私の筋肉は全人類の平和のためにあるのです。でも、貴方のキモチはしっかりとこの大胸筋に刻んでおきます。」

胸をトンと叩く動作をしたあとどこかへ走り去ってしまった。あぁ、行ってしまうのね筋肉モリモリマッチョマン……。あなたのおかげで世の中悪いとこだけじゃないって、わかったのに。あなたにお礼も言えてないのに!また逢えるかしら……?その時までさようなら筋肉モリモリマッチョマン。また逢う日まで、さらば筋肉モリモリマッチョマン。


【お題無視】

3/2/2025, 12:59:24 PM


もしも〜し? 誰かしら? あら、オレ? う〜ん。え? 貴方なの……? そう。事故で慰謝料が必要なのね。……わかったわ、用意してあげましょう。その代わり一つお願いしたいことがあるの。慰謝料と一緒に持って行って欲しいものがあるのよ。うん? あぁ、あなたが最初から私の旦那じゃないことなんて分かってるわよ。だけど、お金を上げましょう。最近、大金が手に入ったからね、今回だけよ? 本当、書類を出すだけで貰えるなんていい世の中よね。あぁ、そう。トランクを適当な場所に、人目のつかない場所に捨てておいて欲しいの。中身? ……ひ・み・つ。……しつこいわね。開けるつもり? 開けたら……あら、ふふふ。どうしましょうね? でも、しつこい男は嫌われるのよ? じゃあ。そういうことで。また後で会いましょうね。

ぷつり。

ツ- ツ- ツ-

カチャリと受話器を置いた手の汗が止まらない。俺は何かヤベェやつ相手に詐欺を働いたのではないかと思ってしまい、リストから今のやつを探す。……ない。見当たらない。間違い電話か? だとしたらあいつは一体なんなんだ。トランク、トランクはどうしたら。中身はなんだ? あいつは俺に何をさせようと言うのか。俺は……、俺はどうすればいいんだ! あいつは一体、……誰、なのか?




【お題:誰かしら?】

2/24/2025, 11:29:47 PM

鬱でへラった文章書いて慰めて欲しいだけなのが本当にみったくないやつだと思う慰めて同情の言葉が欲しいだけなんだ欲張りで浅ましい教室の隅にある埃よりも穢れてるんだよ俺はさお前だけなんだよこんな俺と一緒にいてくれるのはだからずっと一緒にいてくれよ

と書き殴られたページを拾い上げた。友人が自殺した。親族は淡々と処理を進め、こいつの身の回りを片付けるのは俺に押し付けられた。死してなお、迷惑をかける男だ。お前には俺しかいなかったのだろうけど、俺にはほかに逃げ道があるんだよ、ばぁか。


【お題無視】

2/19/2025, 8:37:16 PM

 朝、鏡を見ると知らないヤツが写っていた。
 
 そりゃもうびっくりしたさ。俺じゃなくて知らない女が写ってるんだからな。その時は深く考えずにラッキーと思ってさ、とりあえず胸を揉んだよな。あれすっげぇ柔けぇよ。マジで。でもさぁ、見た目ガッツリ変わってるじゃん? だから会社どうしようと思ってさ。免許証あればイケるかな〜って思ってたのよ。
 ……でも無理でさぁ。信じて貰えなかったんだよな、俺だって。なぁ、俺どうしようこれからどうやって生きていけばいいんだ? 住民票は? 家は? お袋と親父にはなんて説明すれば?
 俺はさぁ、ちゃんと俺なんだよな?お前はちゃんと俺だって分かってくれるよな?なぁ!
 ……なぁ、お前だけが頼りなんだよ。お前は信じてくれるもんな? なぁ?
 俺……、お前に言われたこと何でもするから! こ、殺せって言われれば殺しに行くし、その、ほんとうに、何でもヤるからさ……。だから……だから……お、俺っ、だからさ?っ、ずっと……ずっと仲良くやってきただろ? 俺の事、見捨てないでくれよ……なぁ……?
 
 
 
 
 
 【お題:あなたは誰】

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