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11/4/2025, 11:53:55 AM

謙虚で、素直な君が好き。


そう言って、彼がくれた金木犀の花。
なんでもない日でも花束をくれる。
たいせつに、たいせつに。

彼はとても、魅力的なひと。
金木犀の香りのように、一度見たら忘れられない。
それだけ、美しいひと。

鼻歌をうたいながら、花瓶の水を取り替える彼。
嬉しそうに、私に笑顔を向ける彼。
上手に写真を撮れて、こどものように無邪気に喜ぶ彼。


そんな姿を見ながら、
中途半端に読まれた本を、ひらいた。

この金木犀、しおりにしたいなあ。
忘れないように、日付も書かなくちゃね。

忘れたくても、忘れられない秋のひととき。

11/4「キンモクセイ」 8

11/3/2025, 11:11:13 AM

あとすこしだけ、
ほんの少しだけでいいから。

触れ合っていたかった、
目を合わせていたかった。

笑っていたかった、
君に微笑んでほしかった。

「おはよう」と「おやすみ」を伝えたかった。
「ただいま」と「おかえり」を伝えたかった。

ただそれだけなのに。

そう呟きながら、
脈を感じ、仄かに感じるバニラの匂いを辿る。

まだ、殘っているその匂いに包まれて、眼を閉じた。


11/3「行かないでと、願ったのに」 8

11/2/2025, 3:10:38 PM

なにもなかった。それでも、いいから。
またひとつ、感情が増え、情も湧く。
一分一秒、逃したくない。
辛かった。楽しかった。苦しかった。
そんな一言でもいいから。
手元の日記に、眼を落した。
私だけの、秘密の日記。今日も開いてみよう。
私だけの、秘密の標本。何気ない日常を飾ろう。

11/3「秘密の標本」 8