イカワさん

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10/28/2024, 1:28:08 PM

闇に紛れて。そうすれば何も気にすることはないのに。何も見えなくて、互いの声しか聞こえなくて。でも心許せるときにはパッと照らされて。そんな便利な太陽が一人ひとりにあったらいいのに。

見た目に気を病み、周りと比べ、落ち込む必要はなくなるから。

闇の中に一人座ってぼぉっとしていたい。誰とも関わりたくはないからさ。…なんてね。一人じゃあ、寂しいよ。たまには話し相手だって欲しい。でも自分からは話しかけにはいかない。いけない。だって向こうが自分を求めていなかったらどうする?自分から話しかけたくせに話が続かなかったら?つまんなかったら?常に受け身で生きていたい。根本は相手にある。どうするも勝手だ。悪魔で相手に判断を委ねる。

暗い中でひっそりとしていたい。生まれたときからそれならば。友というものを、娯楽を知らなければ良かったのに。…ならば生きる意味はあるのか?生まれてきたことすら無駄ではないのか?

…これでは母親に申し訳ない。ごめんなさい。何も取り柄がなくて。ごめんなさい。見た目に優れているわけでもなく、話が上手いわけでもなく、頭が良いわけでも、運動が出来るわけでもなく、何も秀でたものがなくて。勿論、貴方はそんなこと思っていない。そんなことないでしょう、って励ましてくれる。温かく包みこんでくれる。

でもそのたびに胸が痛む。100%の努力なんてしていないから。自分は駄目だと分かりつつも、努力が出来ない。期待をされているから、嫌、されていなくても自分が自分に期待をしているから。辛い。苦しい。どうしてこんなにも学生が向かないのだろう。いつの時代なら馴染めた?

温もりを知ってしまっているから、自分より上をみあげてしまったから。暗い闇に包まれて、そっと消えてしまいたい。

10/23/2024, 12:12:56 PM

目が覚めたら何も無かった。

ただ青かった。碧かった。蒼かった。

まず自分の姿を確認する。無い。手、足、体、それらがあるはずの場所は碧空に塗り潰されていた。

次に歩く、歩く、歩む。続く、終わらない青。爽やかな青。何も無いから歩み続ける。

足が疲れた気がした。…足はあるのか?

あ、………多分気の所為だ。進んでいないから。青から逃れられていない。

見えぬ体を抱きしめるようにして座り込む。風を感じた気がした。そもそもここは何処だろう。今までは…ベッド、部屋、医者、食事、風呂…日常だ。その筈だ。ならここは?死んだのか?死ぬなら白の方が良いのでは?青、何だ?何を知らせたいんだ。パラレルワールドか?

……いかにも非現実!そうか!これは夢なんだ!覚めるのを待っていれば良い。ぼんわりとした気分のまま空だと思われる場所の一点を見つめる。思考を研ぎ澄ます。何も考えなくて良い。

夢は覚めない。覚めない。覚めない。長い、永い、夢。起きろ自分。今すぐだ。

覚める筈は無かった。何故覚めない。平凡なのがいけないのか?刺激を求めるのか?奇怪な出来事が起こればいいのか!嫌、ボクならばグロテスクを求めるか!そうだろう?
お望み通り。

手をそっと首にかざす。と、手に力をぐぐっとかける。顔に血が溜まるのが分かる。呼吸がしにくい。が、辛うじて出来る。…駄目だ。息を止めなければ。……これがグロテスクか?血だ、血が必要だ。…目、眼球!そうだ!これを取ってしまおう。そうすればこの忌々しいアオともおさらばだ。何て良いアイデアなんだ!

左目の両端に指をずぶりと押し入れる。中は温かくて湿っている。眼球の裏側へと指を滑らせ、抉り取る。痛い。痛い。血が溢れる。顔の半分が温かい。

荒い息のまま上空を見つめる。鮮血が頬をそって滑り落ちる。

これで終わる。終わるのだ。

10/21/2024, 1:37:12 PM

なかなか合うことが出来ないから。声が枯れるまで話してたい。無口で寡黙な貴方だけどやっぱり何故か好きだから。

元、小学校の同級生。弟同士がが同じ小学校ってだけで細く繋がっている。向こうはこっちのことなんか思う時なんて一瞬すらもないだろうけど。そんな貴方に恋をした。

10/20/2024, 12:17:59 PM

注意!少し過激な内容になっています。








始まりはいつも身体から。そもそも心から始まる恋愛とは?乱れに乱れた淫らな価値観で生きてきたから。純愛とかよく分かんないや。てか、教えてよ。

アタシのせいなのかな。これってさ。ハジメテのあの子がいっつも言ってたから。
「女は服脱いで、歩いときゃあ男は引っ掛かるんだよ。そんなもんだよ。男はな。」

可笑しいよね。そう思ったよ。初めはね。でもハジメテがそれで消化されたんだから、何だかちょっと吹っ切れちゃって。好奇心すら、湧いてきて。とんだチャレンジャーだよね。

2回目。飛びっきり美味しそうな格好をして歩いてみたよ。補導されない程度のね。鯉が餌を求めるみたいに来るだから。大口開けて、阿呆面しちゃって。求められる訳だから上機嫌よ。

キモチイイのは嫌いじゃないもの。それに一緒にキモチイイって最高じゃん?求められたらそれに応じた褒美、対価をご提供ってな。

身体は埋められても、潤わされても。乾ききってぽっかり穴が開くのが心。誰も心は求めない。そうよね、アタシだってそのつもりだもん。今さらフツウになんかなれないじゃない?ね?だからもう良いかなって。一時の快楽に身を委ねる。一時じゃ済ませたくないから、回して、回して…。でも足りなくなっちゃうから。おクスリに頼るよ。財布のキープはあるからさ。

10/18/2024, 1:57:39 PM

すれ違う度に貴方に恋をする。もう何度したのかも分からない程に。思わず目で追ってしまう。1年中、そこに貴方がある限り。

春、満開の桜を見て微笑む貴方。その姿に仕草に一目惚れしてしまった。なんて熱しやすい男なのだろうと自分でも呆れてしまった。しかし、目が離せない。自分の髪についた花弁に触れる様、樹木に向かって手を優しく伸ばす様、全てが雅やかで…妖艶なことか。まるで天女様が地上に降り立ったのでは無いかとも思っても仕方がないほどだ。

そんな貴方が着ていたのは見覚えのあるセーラー服だった。このときほど天命に感謝すべくとしてすることなど今までもこれからも二度と無いだろう。

こんなに焦がれているのに貴方は霞の向こう側でただ微笑んでいらっしゃる。分かってはいたが到底、手の届く人では無かった。

貴方がその微笑みを絶やすことが無ければそれで良かった。汚れを知らずに生きて欲しい。…これは勝手なエゴの押し付けなのかもしれないが。

夏、汗を拭う姿すら美しかった。緑の生い茂る木の下で木漏れ日を受ける貴方は森に住む精霊のようだった。確かに存在している筈なのに、神秘のベールに包まれていた。そして美麗なのは外見だけでは無かった。

秋、紅葉のよく似合う人だった。落ち葉の上もを丁寧に歩いていた。紅葉の葉を撫でる手は何よりも美しかった。質感、形、色、全てが完璧だった。

冬、白い雪の中を歩く貴方。まるで雪の精のようだった。触れてしまえば、じゅわっと溶けてしまいそうで、それ程儚い姿だった。肌は白いのに寒さのせいか、鼻の先と頬を愛らしい桃色に染めていた。指の先、関節もそんな色だった。

又、春が来た。出会いの季節。でも今は別れの季節。あの人はもう居なくなる。これからの行方は分からない。秋は前線の関係で晴れは長くは続かないそうだ。まるで秋晴れのように去っていってしまった。紅葉の1番似合っていた貴方。紅葉と共に風にのり、水に流され離れていってしまった。

四六時中見ておける訳では無いから、行方すらも愚か名前も知らなかった。話したことも無い、なんなら向こうはこっちなんか景色と同化してしまっているだろう。そんな人に恋を、本気の恋をしてしまった。別れてしまうのは惜しいが、またいつかの春、出会いの春に出会えるかもしれない。あの人に。その時は声を掛けるんだ。貴方の後輩で、ずっと貴方に焦がれていたんです。

春が来た。出会い。かつてあの人と出会った桜の木の元へ足を進める。と、先客がいた。僕は動けなくなった。なんて美しい子なんだろう。細くて白い、透き通った肌。肩のあたりで綺麗に揃えられた髪。大きな黒い瞳。背中には赤色の………大きな…………そう、鞄だ。鞄。ただの。…人の目なんな気にするな。

僕は愛しい人を一度逃してしまった。でも今回はそんな失敗はしないさ。何でも把握して置くんだ。過去も今も未来も全てを知り尽くし、常に情報を更新していかなければ。

今度は逃しはしない。あんな馬鹿な間違いなんぞ二度と犯しはしないさ。僕は本気の恋をしたのだから。

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