君の奏でる音楽を聴くたび胸が踊る。
楽しい、悲しい、悔しい。
感情が動くたびに奏でられる音楽が好きだ。
次は私にどんな表情を、メロディーを見せてくれるだろう?
そう思うたびに、楽しみが増える。
麦わら帽子
暑い日差しから私たちを守ってくれる。
黄色い麦わらの帽子とひまわり、
青い空と青々としげる草花。
そんな夏の日が似合う、麦わら帽子。
終点
駅を出発する電車は、
いくつかの駅を経由して終点を目指す。
経由地たちは色んな情景を見せてくれる。
花が咲き誇り、甘い匂いをさせる場所、
赤い鳥居がトンネルのように連なる場所、
青々としげる木々が道の端に岸のように佇む場所、
多くの音が溢れる、人がひっきりなしに行き交う場所、
夜にはキラキラとイルミネーションが美しい場所、
そういった場所を通っていく。
それを思うと、
生きることととても似ていると思う。
出発地点は、人それぞれだが多くは生まれた日、
経由地点は、私たちが多くの想いを残す場所、
または、人生の分岐点だろう。
そしてその終着地点が終わりを示すのなら、
それはきっとしだろう。
唯一違うのは私たちが自由に歩けること。
自分の道を選べること。
しかし時には、電車のようにレールが敷いてあれば、
どんなに簡単だろうと思う。
私たちが生きる今は、自由と残酷さが鏡合わせのように混在している。
自由に職業も、働く場所も、結婚相手も選べるが、
それと同時に、簡単にそれを手放せるようになっている。
昔は、自分で決められないのなら、
その中で、楽しもうと思えた。
その中に入ったものを大切にしようと思えた。
どんなにありふれたものも大切に慈しみたいと思えた。
だから、今の世こそが全ての終点なのではないかと思える。
なぜなのかははっきりとは言えないが…
うまくいかなくたっていい。
ときどき、うまくいかなくて悔しい思いをする。
そういう時もまたいい。
悔しい、悲しい、辛い。
そういった不満から、また繰り返さないようにする。
全部うまくいっていたら、
人はみな、わがままになったり
自分勝手な人間になると思える。
だからいつもうまくいかなくたっていいと私は思う
蝶よ花よ
か弱い印象を与えるものたちだが、
果たしてそうだろうか?
蝶は、蛹から多くの苦難を乗り越えて、
空へ羽ばたき、
花は、土に根を張り、虫や悪天候にも負けず、
まっすぐと天に向けて伸びる。
その過程を想像し、あるいは観察する。
彼らの時間は私たちに比べたら、儚いものであるが、
その中で一生懸命生きている。
目まぐるしい日々の中でふと目を向けると、
常に私たちのそばに存在する。
心を癒し、ひとときの安らぎを与えてくれる。
そんな日常にいつも当たり前のようにある
彼らを、些細なものにさえ、
感謝し、尊びたいと思える。
そんな、今日この頃です。