@何番煎じ

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7/1/2024, 1:12:46 PM

『窓越しに見えるのは』

また今日も来ている。
ここ最近、毎日のように来ている。

キジトラ柄の雌猫。

耳には切り込みがある。さくら耳だ。

いつもご飯やおやつを可愛くおねだり。
それに毎回やられてついついあげてしまう。

晴れの日も雨の日も窓のそばまで来て
私が気付くまで静かに待っている。


窓越しに見えるのは愛おしいあなた。

6/30/2024, 3:04:24 PM

『赤い糸』
突然だが、目に見えていないモノに縋りたくなるのは人間特有ではないだろうか。しかしながら、その見えないモノに縋る一人としては恥ずかしながらも人間らしくていいのではないかと思う。

よくいう赤い糸もその一つだが、私のこの小指には果たして繋がっているのだろうか。この歳になると現実にばかり目がいってしまいがちで夢というモノを見なくなっていた。そこで私は、あえて初心で今よりもずっと清い心を持っていたあの頃を思い出し赤い糸について考えを巡らせた。

好きな人がいたあの頃だ。

正直なところ、好きな人とは赤い糸なんて繋がっていないと思っていた。そんな簡単なモノではないというのが私の考えだからだ。若い子達には耳が痛くなるような話かも知れないが、そんな世の中甘くない。まず、好きな人と結ばれるだけでもなかなか難しい。更に付き合えたとしても上手くいくなんて保証はどこにもない。もっと言えば生涯を添い遂げるなんて到底できることではない。元はと言えば赤の他人なのだから。


ただ私は偶然が重なり、運よく好きな人と結ばれたのだ。どういう経緯でお付き合いに至ったか、その話はまた今度にしよう。

お付き合いが始まっても尚、私はこの方とは赤い糸は繋がっていないと感じていた。もちろん恋人のことは心から愛していたし、幸せにしたいと思いながら日々楽しく過ごしていた。

ある日突然、恋人に質問をされた。
「運命の赤い糸を知っている?」と。
私は「お国によって諸説あるようだけれど、生涯を添い遂げる運命の人と見えない赤い糸で結ばれているというやつかな。」と答えた。
すると恋人は「うん、とても素敵だよね。でも個人的には、目に見えないのだから一層の事見えるように自分たちで結んではいけないのかなって・・・」
確かにそうだな。と何故か納得していた。

そして恋人は、徐に赤い糸を取り出し私と恋人の小指を結びながら「どうせ元は見えず、誰にもわからないモノ。これで誰が見ても私たちは運命的な恋人。」と私の顔を見て微笑んだ。今でもその時のことは鮮明に覚えている。



色々考えている内にとても懐かしい記憶を思い出してしまった。
「何を考えていたの?」
私の隣であの頃と変わらない笑顔で生涯のパートナーが不思議そうにしている。

「いや、懐かしい思い出を振り返っていたんだよ。」と私は答える。

今は見えない、そこに確かにある赤い糸を見つめながら。

6/25/2024, 5:07:23 PM

『繊細な花』
私が人生で始めた好きになった人は繊細な花のような人でした。

華やかな装飾で着飾ることもなく素朴な素顔のままの彼女。芯はあるが柔らかい雰囲気で包んでくれる心地の良さ。素敵なことだから照れずに素直に見せてくれたらいいのにと、こちらが笑ってしまうような優しさ。それら全てを兼ね備えた彼女は咲くは美しくも儚く散ってしまうような花のようでした。

6/20/2024, 11:43:46 AM

『あなたがいたから』

あなたがいたから、たくさん笑えた。
あなたがいたから、泣くことができた。
あなたがいたから、優しくなれた。
あなたがいたから、強くなれた。
あなたがいたから、前を向くことができた。
あなたがいたから、前進することができた。
あなたがいたから、人を好きになる素晴らしさを知ることができた。
あなたがいるから、私自身の考えや思いを改めて知ることができた。


私には、多くの「あなた」がいる。
その人たちに支えられている今を、あなたと共有できている私は幸せ者だ。

あなたがいたから、幸せを感じていられる。

6/19/2024, 12:53:15 PM

『相合傘』
私が忘れられない、まだ学生だったあの日の話でもしようか。

仲がいい友人数名と、とある検定の試験会場から帰ろうとした時のこと。
その日の天気予報では雨となっていた。試験会場に入るまでは曇っていて降ってはいなかったが、大体の人は傘を持ってきていた。私もそのうちの1人だ。
しかし、友人のうち2人が傘を持ってきていなかった。

帰ろうとなった時、試験会場から徒歩数分の場所にある駅でさえ傘無しではびしょ濡れになるほどの雨が降っていた。私は2人がそれぞれ誰かの傘に入ればいい、1人どちらかを私の傘に入れようと考えた。

その時だ。私が密かに好意を寄せていた彼女が、「これに2人入れるだろう」と少しぶっきらぼうな言い方で自身の傘を差し出したのだ。私は言葉にしなかったものの「優しいな。でも貴女はどうするの?」と思っている間に当たり前のように何も言わず、私の傘に入って来たのだ。

あの時、なぜ私の傘を選んでくれたのかは大人になった今でも謎のまま。聞けないままでいるけれど、目を閉じ思い出すと今でもあの時のときめきを感じられる。

人との関係に少し不器用なところがあるけど、優しさに包まれた貴女が好きだと改めて思えた相合傘。

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