『一年前』
一年前の私は引っ越しを目の前にワクワクとドキドキで胸が騒がしかった。仕事では次の人たちに引き継ぎをして、家では荷造りをして結構バタバタ。
あと一ヶ月もしないうちに実家を出て一年になる。
実家を出て大変なこともあるけど、一人の時間も確保できて自分らしく生きていけてると思う。
お金があるわけでもないし、パートナーがいるわけでもないけど本当に幸せ者だなと感じる。側から見ればもっとこうすれば良いのにという人生かもしれない。しかし、身の丈にあった幸せを感じられる。そんな今を一年前は想像できていなかった気がする。
一年前の私、とりあえず一年後の私はその選択した道を正解にしたぞ。
『私の好きな本たち』
私は幼少期の頃から本を読むことが好きだった。
そのおかげで、好きな本はたくさんある。尊敬する作家もたくさんいる。だからこそ、好きな本を一冊に絞るのは難しい。
そもそも“好きな本“の定義はなんだろうか。
本のジャンルやストーリー、言葉選び、挿絵。はたまたその本の香りや触り心地なんかが好きという人もいるかもしれない。きっと計り知れない。
そうなると私の好きな本は、あの頃読み聞かせてもらった“思い出の本たち“ということになる。そう、結局一冊では収まらないのだ。なんせ読み聞かせてくれたのは一人ではない。父や母、祖母、姉までも。寝る前に私が寝るまでたくさんのお話を読み聞かせてくれた。
正直、全ての本を覚えている訳ではない。なんせ数が多すぎるし、20年近く前の話。しかし、色濃く鮮明にあの時を覚えている。あの頃の本を大人になった今読み返すことで新たな発見や“好きな本”に出会えるかもしれない。
『勿忘草』
ねえ、知ってる?勿忘草っていう花。そう、小さくて淡いブルーの花。私嫌いだったんだ。だってあの真っ赤な人目を惹く薔薇や明るい太陽に向かって、うんと背を伸ばす向日葵のようには到底なれないんだもの。
でもね、彼が言ったの。
「勿忘草の花言葉は、”真実の愛“それから“誠の愛”なんだって。とても素敵だね。」って。とても愛おしそうに私を見つめて言うんだもの。
その瞬間恋に落ちたわ。
他にも「今日も小さくて可愛らしいね。」とか「水が滴るとより綺麗だね。」なんて、恥ずかしくなるようなことを平気で言うんだもの。
まさかよね、短い生命(いのち)の私が恋なんて。しかも人間の彼に。お天気のいい日はこちらに来てお話しながらお水をくれるの。といっても、さっき述べた通り彼が一方的に優しい言葉を掛けてくれるだけなんだけど。
でもそろそろお別れね。最近の気温が私には合わないみたいで、彼も心配そうに見てるわ。大丈夫よ。また時が来れば運が良ければここで逢いましょう。
だけどその時まで“私を忘れないで”…。