Open App
2/6/2025, 10:21:49 PM

静かな夜明け


ベッドに横たわる君とその横に座ってる僕


"もう目を覚ます可能性はほとんどありません"

さっきお医者さんから聞いた言葉が頭から離れない


ねえ、こんなことってある?
まだ十数年しか生きてない命が奪われるなんて

ねえ、君はなにをやり残した? 
まだ、未練があるでしょ?

僕が君の足になって、君を支えるから
目を覚ましてよ…、


急に鳴り響いた電子音
すぐに看護師と医者が到着した


でも、君はその数時間後に息を引き取った

その事実が未だに信じられず、
ずっと君に話しかけていた

ふと、眩しさを感じて顔をあげると、ちょうど朝日が
昇っているところだった

その朝日を見ていると、君のいない世界が
もう始まってしまうということがなぜか現実として
僕の胸に刻み込まれた

途端に涙が溢れて止まらない



静かな病室には、僕の泣き声だけが響き渡っていた

ああ、なんて静かなんだろう

2/5/2025, 7:17:23 AM





永遠の花束


鐘が鳴り響く教会で、永遠の愛を誓った

手に持っているブーケは、
この場にふさわしく言うならば、永遠の花束だろう

あなたと、永遠の愛を誓った証



そして、その花束をなげる

次の花嫁に向けて


どうか、この花束を手にした人が
幸せな家庭をもてますように

2/3/2025, 10:20:33 PM



やさしくしないで


お願い、勘違いしちゃうから

あなたにやさしくされると、わたしは特別なのかもって
勘違いしちゃうの

そんなんじゃないってわかってても、
まだチャンスはあるんじゃって


勘違い女になってしまうから、お願いだから
なにも思ってないなら、やさしくしないで

 「僕がこんなにやさしくするのは君だけだよ」

ほら、また勘違いしちゃうじゃん


でも、もう少しだけ、勘違いしたままでもいい…?

勘違いでも、今が幸せだから

2/3/2025, 8:07:56 AM

隠された手紙…

古い家
その家はかつて、
母親と父親、そして3人兄妹が住んでいたらしい


そして、わたしは見つけた
末っ子の部屋であろうところにあった
机の中に寂しく置いてあった一つの手紙を、、

『どうして、、どうしてこんな思いをしなきゃいけないんだろう。もともと3人なんて、難しいとお姉ちゃんからも言われてきたことだった。
それでも、良好な関係を保てるように、頑張ってきた、つもりだった。どんなに嫌な思いをしても、
ほとんど笑ってきた。
相手のわがままにも最大限応じてきた。文化祭のときとか。わがままに応えたのに、結局、わたしが損してきたこともたくさんあった。
自分の体調が悪い時も、自分の機嫌が少し悪くても、笑って接してきたつもりだった。たくさん、話して、仲がいいと思い込んだだけだったのかな。
いや、違うかな。自分のしたことが返ってきたのかな。
ある日、わたしたちは話したんだ。
来年、一緒のクラスだったらいいね。
来年の修学旅行、一緒の班になりたいね。
ホテルも一緒がいいな。
◯◯ちゃんと一緒だったら絶対楽しいよね。
これからもよろしくね。
これも、全部、全部、嘘だったってことかな。

少しずつ、あれ?と思うことが多くなってきた
それでも、最初はなんでもなりふりをして接してた

どんどん溝が深くなってきて
今では唯一、
わたしたちが一緒にいた空間、喋るチャンス、
それさえ、切られそうになっている

それを気にしてくれる友達もいる
こっちにおいでって言ってくれる友達もいる

けれど、わたしはそう言ってくれる友達だからこそ
ほんとうに失いたくない

だから、わたしのせいでその友達関係に
ヒビが入るのが怖い

結局、わたしはどうすればいいんだろう』


この手紙を書いている時、少女はきっと泣いていた
紙に、濡れたあとがあったから

この手紙を書いてる時、
少女はどんな気持ちだったんだろう

2/2/2025, 6:43:14 AM





"バイバイ"

ほおを伝う生暖かいもの

その正体にわたしは気づかないふりをした


ほおがどんどん濡れていく…、、、
視界が滲む

それでも


"バイバイ"

最期くらい、笑顔をいたい

Next