昔は本なんて嫌いだった
あんな長くて、文字しかないもの
読みたくなかった
でも、ある日、ある本に出会った
学校で本を借りなきゃいけないときに、
ふと気になって借りた本
学校の時間だけじゃ読めきれなくて
つい家の自室で続きを読んだ
読み終えると、感動とか喜びとかなんともいえない感情で心がいっぱいになった
今何時だろうと時計を見ると
あれから3時間も経っていた
こんなにも時間が早く過ぎたことに、わたしは驚いた
たぶん、この時に、わたしは
本の沼にハマってしまったんだろう
本は、わたしをいろんな感情にさせてくれる
感動して、思わず泣いてしまったり
おかしくって、つい笑ってしまったり
苦しくて、胸が張り裂けそうになったり
そして、本はわたしに新しい景色を見せてくれる
こういう考えもあるんだなと知れる
たくさんの人の感情を知れる
まだ見ぬ世界を見せてくれる
たった一冊を読むだけで、わたしの心は満たさせる
最後の声…
『愛してる』
そう言えば、あなたを苦しめるかな?
正直に言えば、一生私だけを想っていてほしい
だけどね、あなたの幸せも望んでいるの
もし、わたしがいなくなってしまって、
何年後かに、あなたが大切にしたいと思える子が
できたなら、嫌だけど、幸せになってほしいの
あなたがわたし以外の子と結ばれるなんて…、
心の底からは喜べないのも事実だけどね
わたしは先に待っているから…
※ ※ ※ ※ ※
もう自分は死んでしまうのだと感じてから
わたしはそんなことばかり考えてしまう
はぁ…、死にたくないなぁ
そう思った途端に、目がじわりと滲んだ
頬を流れる涙が止まることを知らずに溢れ出す
「っ…、ふっ、ううぅ…っ…」
死にたくない、
まだあなたと一緒にいたい
ひどい、ひどいよ、神様
わたしとあの人を一緒にいさせてくれないのに、
あの人にはまた運命の人が現れるんでしょう?
そんなのって…、ないよ
※ ※ ※ ※ ※
「まって…、!ねぇ…!まだいかないで、!!」
あぁ、あなたの声が聞こえる
あなたの人生はこれからも続くんだよね…
それなら…
「今まで、ありがとう」
頬に、生ぬるい感覚があったけど、
それがなんなのかまではもう感じなかった
ああ、言えなかった
『愛してる』って、伝えたかった
わたしの『最後の声』にしたかった
『空はこんなにも…』
たとえ私がどんなに
苦しくて
つらくて
死にたいような日でも
空はこんなにも美しく輝いている
こんな残酷な世界の中にも
美しいものってあるんだね、
雨の香り、涙の跡
ほのかにする、この雨独特の匂い
昔からこの匂いが大嫌いだった
湿気でうねる髪も
もわっとする空気も
雨で濡れる制服も
全部、全部、大嫌いだった
でも、今は、人生の中で一番雨に感謝してる
だって、この醜い涙を、誰にも知られることがないから
頬が濡れていても、雨がカモフラージュしてくれる
あれ?でもおかしいな、
涙のあとは、カモフラージュするものがないや…
腫れて赤くなった目を見れば、誰だって気づいちゃう
それなら、腫れが引くまで、君と過ごすのもいいかもね
『運命の人とは赤い糸で結ばれているんだよ!』
なんて言ったら、あなたはどう思うかしら?
んなバカなって、呆れたように笑うかな
笑いながら肯定してくれるかな
それとも
『じゃあ僕たちも、赤い糸で繋がってるんだね』
なーんて、言ってくれるのかな?