たまに、ふと考えるときがある
どこか遠くへ行きたいと、
けれど、それを現実が許してくれるはずもなく
今日もまた、昨日と同じ道を歩く
星明かり
この真っ暗な空はまるでわたしの心のようだ
けれど、その真っ暗な空の中で見つけた
所々に光る、星の数々
わたしの人生も、今は真っ暗だけど
この空のように…、この星たちのように…、
光が訪れるのかな
新しく買った本がちょうど読み終わり
ふと顔を上げると読み始めてから約3時間が
経とうとしていた
我ながら、読書をするときの集中力はすごいと思う
今回の物語の始まりは、幼なじみと登校して
神社にお参りするところから
最後まで読むと、その行動すらとても大事な要素で
すごく感動した
自然と頬を伝っている生暖かい涙
圧巻した、が正しいかもしれない
自分の想像を遥かに超えて
しばらくなにも考えられなかった
少し時間が経つと、ふぅと深呼吸をした
これだから本は大好きだ
普段の生活の中では生まれない感情を
引っ張り出してくれる
涙すらも、大量に溢れてくる
登場人物の気持ちが、本の一語一句から
鮮明に伝わってくる
そして、わたしの胸に
深く刻まれていく場面、言葉もある
『本の数だけ、物語の始まりがあって
本の数だけ、人の人生がある』
わたしはそう思っている
いつからだろう…
いつの間にか、あなたを目で追っていた
目が合うだけで心臓が激しく音を立てた
話すことができたなら、
地面から数センチ浮いている気分になって、
わたしの心は幸福でいっぱいになった
"好き"
そう自覚すると、
その気持ちはどんどん大きくなっていった
思わず、好き、と、言ってしまいそうになるほど、、、
そのたびに、自分の中で慌ててしまい込んだ
『静かな情熱』…、なんてぴったりな言葉だろう
わたしの恋心は静かに、大きく、大きくなっていった
それが実ることはなかった
それでも、わたしの恋心がしぼんでいくこともなかった
大きくなっていく日々だった
この静かに大きくなっていく、恋心という情熱を
わたしは、どう対処すればいいんだろう
振られたのに…、今でもわからない、
……消化されない想い……
遠くの声
自分が今、なにをしているのかがわからない
でも、横たわっているのはなんとなく、感覚でわかった
身体中が痛かったけど、
だんだんと痛みも感じなくなった
誰かの声がする
「ーー!ーーー!」
うわー…、なんて言ってるんだろう
なんとなく…、今から自分はこれから死ぬんだろう
それなら、なにか、一言でも伝えなきゃなぁ…
「嫌だ…!あなたが死んじゃうなんて…!」
うれしいなぁー…、こんなこと思ってもらえるなんて…
そうだ、
君は、僕の大切な人
僕が生涯守ると誓った女の子
僕が幸せにしてあげたかった女の子
いやだなぁ、
死にたくない
君と一緒にいたい
でも、それを身体が許さないと訴えてくる
じわりと涙が溢れて、もともとはっきりしてない視界は
もっとぐしゃぐしゃになった
それでも、伝えなきゃ…
僕の最期の力を振り絞ってでも、、
「大好きだよ…。また、来世で会おうね、」
それを言うと、頭が真っ白になって
お迎えが来たとわかった
「ばいばい…」
「ーー!ーーーー!ーー!ーー!」
遠くでなにかが聞こえる
「ーー!ーー!ーー!」
ごめん…、もう、わからないよ…、、、