永遠の花束
鐘が鳴り響く教会で、永遠の愛を誓った
手に持っているブーケは、
この場にふさわしく言うならば、永遠の花束だろう
あなたと、永遠の愛を誓った証
そして、その花束をなげる
次の花嫁に向けて
どうか、この花束を手にした人が
幸せな家庭をもてますように
やさしくしないで
お願い、勘違いしちゃうから
あなたにやさしくされると、わたしは特別なのかもって
勘違いしちゃうの
そんなんじゃないってわかってても、
まだチャンスはあるんじゃって
勘違い女になってしまうから、お願いだから
なにも思ってないなら、やさしくしないで
「僕がこんなにやさしくするのは君だけだよ」
ほら、また勘違いしちゃうじゃん
でも、もう少しだけ、勘違いしたままでもいい…?
勘違いでも、今が幸せだから
隠された手紙…
古い家
その家はかつて、
母親と父親、そして3人兄妹が住んでいたらしい
そして、わたしは見つけた
末っ子の部屋であろうところにあった
机の中に寂しく置いてあった一つの手紙を、、
『どうして、、どうしてこんな思いをしなきゃいけないんだろう。もともと3人なんて、難しいとお姉ちゃんからも言われてきたことだった。
それでも、良好な関係を保てるように、頑張ってきた、つもりだった。どんなに嫌な思いをしても、
ほとんど笑ってきた。
相手のわがままにも最大限応じてきた。文化祭のときとか。わがままに応えたのに、結局、わたしが損してきたこともたくさんあった。
自分の体調が悪い時も、自分の機嫌が少し悪くても、笑って接してきたつもりだった。たくさん、話して、仲がいいと思い込んだだけだったのかな。
いや、違うかな。自分のしたことが返ってきたのかな。
ある日、わたしたちは話したんだ。
来年、一緒のクラスだったらいいね。
来年の修学旅行、一緒の班になりたいね。
ホテルも一緒がいいな。
◯◯ちゃんと一緒だったら絶対楽しいよね。
これからもよろしくね。
これも、全部、全部、嘘だったってことかな。
少しずつ、あれ?と思うことが多くなってきた
それでも、最初はなんでもなりふりをして接してた
どんどん溝が深くなってきて
今では唯一、
わたしたちが一緒にいた空間、喋るチャンス、
それさえ、切られそうになっている
それを気にしてくれる友達もいる
こっちにおいでって言ってくれる友達もいる
けれど、わたしはそう言ってくれる友達だからこそ
ほんとうに失いたくない
だから、わたしのせいでその友達関係に
ヒビが入るのが怖い
結局、わたしはどうすればいいんだろう』
この手紙を書いている時、少女はきっと泣いていた
紙に、濡れたあとがあったから
この手紙を書いてる時、
少女はどんな気持ちだったんだろう
"バイバイ"
ほおを伝う生暖かいもの
その正体にわたしは気づかないふりをした
ほおがどんどん濡れていく…、、、
視界が滲む
それでも
"バイバイ"
最期くらい、笑顔をいたい
わたしはまだ、旅の途中…
これまでの十数年間、わたしは必死に生きてきたと思う
悲しくて泣いた日も、
苦しくて死を選ぼうとしたことさえあった
成長すればするほど、楽しいことだけではなくなる
苦しいこと、つらいことで溢れかえっていた
それでも、歩みを止めることを社会は許してくれない
まだこの旅の道は続くのかな、?
早くこの命が尽きればいいのに…、、、
人生という旅は、
1回きりで、
最も過酷で、
人として生まれたからには、
与えられたことをしなければならない
そして、何十年にも続く
それを終えたら、天国に連れて行ってもらえるのかな…