彼は昔から愛情を言葉で伝えるのが
得意なほうではなかった
わたしもそこまで得意なほうではなかったと思う
それでも、わたしたちの関係が続いているのは
愛を伝えるのは言葉だけではないと知っているから
彼から"愛"の言葉がなくたって、、
彼の行動で"愛"は伝わってくる
特に伝わってきたのは
わたしが迷子になっちゃったときのとこ
あなたは一生懸命探し回ってくれた
まるで小さい子がいなくなってしまったかのような
慌てっぷりだった
わたしだってもう大人なのにって
少し呆れちゃった
けど、それがたまらなく嬉しかったの
私のために一生懸命になってくれる
それがどれだけ嬉しかったか
どれだけの"愛"を感じか
だけど…、ね、
たまに思うの
ちゃんと言葉でも"愛"を伝えてほしい
言葉でちゃんと聞かないと、不安になるときがある
そして
そんなわたしの心をよんだみたいに
ホントにたまに言ってくれる言葉は、特別があって
それはそれで好きなんだけどね…、、、
「大好きだよ…」
わたしだって大好き…
いいんだよね、愛情の伝え方は人それぞれで
あの日、わたしは微熱をだした
高校生にもなって微熱で休むつもりなんてない
そう思っていたけど
親が過保護で、強制的に休まされることになった
親はわたしが勉強の遅れを気にしてると
思っているけれど、本当は違う
1日でもあなたに会えないのが嫌だった、つらかった
ただでさえ、今日は金曜日で
土日がはさまって、2日間会えないのに
ああ、会いたいな…
あと3日後しか会えないのか、
でも、
あなたは会いに来てくれた
多分、わたしの親は仕事でいつも夜遅いと
聞いていたからだろうか
家に訪ねてきて、すごく嬉しかった
この日は、いつもとは違う
いわゆるお家デートをした
彼はわたしの体調を心配くれていたけれど
本来、学校に行けるほどだったから、問題はなかった
なりより、彼との時間がわたしを安心させる
ああ、わたしは彼が大好きだ
そう実感した日だった
この時初めて
"今日は微熱が出てよかったのかもしれない"
なんてバカなことを思ってしまった
数年前、
太陽の下で、彼と、一生愛し合うことを誓った
これからは彼と幸せに暮らしていける
そう思って、すごく嬉しかったのに
どうしてわたしよりも先に逝っちゃうの?
"死ぬ時も一緒だからね"って約束したのに
今でも、この地球を照らしている太陽を見ると
たまらなく苦しくなる
こんなに明るくて、みんなの心を照らしそうなのに…
わたしの心を暗く染める
わたしたちが出会った日、初めてデートした日
初めて旅行した日…、愛し合うことを誓った日…、、、
すべて…
この太陽がわたしたちを照らしてくれていたから
わたしがこれまで生きてきた中で
このセーターほど大事にしたものはない
あなたは裁縫なんて多分
できなかったし、無縁の人だったと思う
だって、ボタン付けだってできないって言ってたもの
でも、わたしのために
クリスマスプレゼントとして贈ってくれた
わかるんだぁ
このセーターを見たら…、
あなたがどれほど苦労して作ってくれたのか
あなたがどれほどの想いを込めてくれたのか
どんな高価なアクセサリーよりも
嬉しかった
落ちていく
視界いっぱいに広がる
青い空
なにも感じない
今、わたしはなにを思っている?
親への怒り?世界への絶望?友達への嫌悪?
どれも違うような気がする
これらは
ほんの1秒もないぐらい前の私の気持ち
今は、ただ
この世界から解放される、自由になれる
とても楽な気分…、
最後に
この青い空を見れてよかったかも
落ちていく選択を後悔しそうなほど
綺麗だなぁ
ああ…
自分の体がどんどん落ちていく
美しい空から徐々に離れていく…、、、