「鏡よ鏡、あの人と私は一緒になれるかしら」
鏡を覗きながら呟いた
あの人と私は親が決めた許嫁、だけど最近現れた彼女の登場から、あの人と私の間に溝ができた…
一緒に学校からの帰りも歩かなくなった。メールの返事も義務的なものになった。
幼い頃から、あの人と一緒に生きると思っていたのに、もう気づいてるのに認めたくない私がいる。
だから、絵空事のように、鏡に呟く
「もしも、未来が見えるならー」
お題「もしも未来がみれるなら」
かつて、世界には色があったそうだ。
でも、争いが起きて神様が人々を見捨てたから、無くなってしまったと旅の人から聞いた。
この世界には、色がないから皆ただ寿命が終わるのを待つのみだ
私には見えている、ほとんどの人は透けていて、でも伝説を教えてくれた人は、不思議な暖かさが見えた。これが色なんだ
色の無い世界に、色が見えるわたしが生まれたのはなんでだろ
その答えを探す為に、旅に出る
ここから、始まるんだ
お題「無色の世界」
あの時に言えたら良かったのに…
あの日から後悔を重ねている
あの日の前日、私の仕事の都合で彼女が楽しみにしていた遊園地に行けなくなり、その事で喧嘩になっていた。リスケも納得がいかず、翌日は会話する事が出来なかった…
そして、彼女が登校してから、私は出勤した。直後に携帯が鳴る。
見慣れない番号、電話に出ると、警察からだった…
あの子は、登校途中に交通事故に遭った
急いで病院に向かったー
間に合わなかった…
あの日から、ずっと後悔している。あの子にずっと伝えたかった事を全て語れなかった事を…
だから毎年、その日が来ると私はあの子の墓前で語る。
「愛してる、ずっと」
お題「届かぬ思い」
青い空の下、私は歩く
目的もなく
空が青くないと、動けないから
雲で日光が遮られると動けなくなるー
道端に、人形が落ちていた
拾ってみると、どうも太陽光で動く仕組みのようだ
お題「快晴」
あの屋上から見た夕日を忘れる事ができない
その日、模試の結果で第一志望が厳しい事を知った。真っ直ぐ家に帰ろうとも思わず、街をぶらぶらしていた。普段なら見過ごすような路地裏に、1匹の猫を見かけた。もの珍しく追いかけてみると、今ではほとんどのテナントが撤退し、解体を待つだけのビルに辿り着いた。
本当は良くないのだけど、扉を触ると鍵が壊れていて中に入る事ができた。階段が目に入ると、ただ上を目指して私は階段を上がっていた。屋上への扉も開いていた。何もない虚な世界から、急に視界が色づいたー
落ち込んで空虚でいた私に世界はこんなに色があるのだと語っているようだ。
気づけば、私は帰宅していた。一度の結果で諦めるのではなく、足掻けと言われているようで…
ー結果、第一志望には入れなかったけど、今はそれで良いと思える。私は自分の選択を後悔してないのだから。
お題「遠くの空へ」