unaru

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7/2/2023, 4:40:41 AM

真夏日の午後の空
淡い青に感じる無限
曇りなきガラスの発明者へ
敬意を込めて麦茶をひとくち
雲はどこにもないようだ

(窓越しに見えるのは)

6/29/2023, 1:39:25 PM

つついたら
パチン!
って割れちゃいそう

たくさんの雲の夢が
詰まっているのかもね

(入道雲)

6/15/2023, 11:33:12 AM

平成の頃の話だ。その頃よく通っていた、町の小さな図書館では本の最終ページ付近に封筒を半分に切ったものが貼られていて、その中に貸出記録カードが収められていた。カードには最後に貸し出された日付のスタンプが押されていて、私はその日付が昭和の本を探すのに夢中だった。長く時間が止まった本たちは眠っている赤子のように愛おしかった。

(好きな本)

6/15/2023, 2:42:40 AM

雲が多いのに眩しい日
降りたそうに身構える雨
気がつけば訪れる夜
何も言わずにソファに沈む

(あいまいな空)

6/7/2023, 3:53:12 PM

「いつか行ってみたいね」と言っていたお高いレストランが崩壊していた。ここで最後の夕食をとることを提案したら彼女は同意してくれた。
レストランの残骸に並んで腰掛け、夕日を眺めながら粉々に砕けたビスケットを少しずつ食べた。海が近いのだろうか。潮の匂いがする。
朝がもう二度と訪れないことは確定している。この夕日が沈んだら何も見えない夜だけが残る。
「おいしいね」と言って彼女が微笑んだ。僕は何も言わずに、同じように微笑んだ。

(世界の終わりに君と)

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