あなたの精一杯の涙は
ちっぽけなものでしかないと
あざわらい
飲みこんで膨らみ
天を目指す

（入道雲）

私が言葉にできなかった
渦のような感情を
綺麗な言葉で教えてくれた
ずうっと昔に書かれた本

（好きな本）

春嵐
揺れた電線
散る花弁
私の声は
真っ直ぐ届け

（愛を叫ぶ。）

深夜の空気のノイズが
天井一面、壁一面
音もなくチカチカと
お星様の代替品です
私には良くお似合い

（安らかな瞳）

さようなら、ようやく慣れた駅
さようなら、ようやく慣れた坂道

子供の声にも負けない立派な電子音
もう二度と聞くことは無いでしょう

さようなら、ようやく慣れた日々

（ベルの音）