unaru

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平成の頃の話だ。その頃よく通っていた、町の小さな図書館では本の最終ページ付近に封筒を半分に切ったものが貼られていて、その中に貸出記録カードが収められていた。カードには最後に貸し出された日付のスタンプが押されていて、私はその日付が昭和の本を探すのに夢中だった。長く時間が止まった本たちは眠っている赤子のように愛おしかった。

(好きな本)

6/15/2023, 11:33:12 AM