「たとえ間違いだったとしても、回答欄は全て埋めなさい。先生は皆さんに何度もこの言葉を伝えてきたと思います。」
卒業式の日、壇上に上がった先生はそう語りだした。
「回答欄が全て埋まれば、もしかしたら正解している問題があるかもしれない、部分点が貰えるかもしれない、だから埋めなさい、そう言ってきましたね」
「それは、この先の人生でも同じことです。」
「あなた方の人生はテストのように明確な正解のある問題ばかりではないでしょう、大きな壁にぶつかってしまう事もあるでしょう」
「壁にぶつかってもめげずに立ち向かって行きなさい、なんて言うつもりは無いです、他の道を探す、一度立ち止まってみる、時には逃げてしまうのも一つの手です。」
「たとえそれが間違いであっても、間違っていると言われても、これが自分にとっては正解だと胸を張って言える人になってください」
「私が3年間見てきたあなた方にはそれができる力があると私は確信しています。」
「長くなってしまいましたね、それでは皆さん、ご卒業おめでとうございます。」
そう締めくくった先生の目には少し涙が滲んでいた。
「…かつて私が学生の頃、恩師がこんな言葉を送ってくれました。」
先生、次は私がこの言葉を若い世代に教えていきます。
新年の挨拶に出かけようとしたところで家族全員のスマホから緊急地震速報が流れました。
まるで船に乗っているような、そんな気持ちの悪い揺れ方だったと思います。
東日本大震災を思い出しました。
あの時の恐怖を思い出しました。
皆様の無事を祈っております。どうかご無事で。
「距離を置きたい」
そう突然言われたの
自分が思いつく限りの自分が悪かったところを謝ったわ。
まだ一緒にいたかったから。
けど時間がたって思ったこともあるの。
私が悪いところを直してもやってしまったことは覆らない。
私のことが嫌いになりかけてる人に何を言っても「へぇ……そう」くらいにしかならないんじゃないかって。
私の方から手を離して、あの人はあの人の人生、私は私の人生を謳歌したほうがいいんではないかってね。
ねぇ、私はどうすればいい?
全くの初対面だった。
たまたま同じ学校に入って、たまたま同じ学年で、たまたま同じクラスで、たまたま隣に並んだだけ。
はじめて交わした挨拶は「あっ、おねがいします…」
話していくうちに趣味が合うことがわかった。
話していくうちにパズルのピースがカチリと嵌るような感覚があった。
「ねぇ、友達になりませんか?」
一言一句違わずに、同時に言った事に、私も相手も驚いて、顔を見合わせてクスクスと声を抑えて笑ったっけ。
「よく覚えてるねぇ、私は忘れちゃったわ」
隣でお酒をあおる親友はニヤニヤしつつこちらを見る。
「でも、あんたは私の一生の友達よ、おばあちゃんになっても遊びましょ」
出会ってから10年以上たっても変わらないこの友情は、きっと墓に入っても、次の人生でも変わらない。
思いつかないので保存用です、あとで編集します
お題「行かないで」