全くの初対面だった。
たまたま同じ学校に入って、たまたま同じ学年で、たまたま同じクラスで、たまたま隣に並んだだけ。
はじめて交わした挨拶は「あっ、おねがいします…」
話していくうちに趣味が合うことがわかった。
話していくうちにパズルのピースがカチリと嵌るような感覚があった。
「ねぇ、友達になりませんか?」
一言一句違わずに、同時に言った事に、私も相手も驚いて、顔を見合わせてクスクスと声を抑えて笑ったっけ。
「よく覚えてるねぇ、私は忘れちゃったわ」
隣でお酒をあおる親友はニヤニヤしつつこちらを見る。
「でも、あんたは私の一生の友達よ、おばあちゃんになっても遊びましょ」
出会ってから10年以上たっても変わらないこの友情は、きっと墓に入っても、次の人生でも変わらない。
10/26/2023, 7:09:32 AM