夏目漱石は、I love you を月が綺麗ですねと言ったが、僕は夏目漱石を超えなければいけない。
僕には、好きな人がいる。
何故、好きになったのかと聞かれれば話したときに胸が苦しかったとしか言えない。
好きな所を聞かれると、言葉が出てこない。出てこないと言うと、語弊があるが言ったら何故、好きなのか分からなくなるほど嫌な事しか出てこない。顔も可愛いが他にも可愛い人は、いる。優しい所も好きだかさらに優しい人も知っている。
あーーーーーーーー好きだ。
振られても、この際いい。これから、話せなくなってもしょうがない。友達では、いたくないのだ。
ただ、自分の好きを伝えるには夏目漱石を、あの文豪を超えなければいけない。
(‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥I love you‥‥‥‥これは、無いな。)
俺には、忘れられない太陽のような人が二人いる。
一人は、いつも笑顔で大人になったらほうれい線を勝手に心配するほどの笑顔で、卒業アルバムに唯一書いてくれた奴だ。俺は、元々明るすぎるやつは苦手で、うざいと思っていた。
あいつは、まだ、太陽だろうか。
もう一人は、たまたま見かけた事がある。男女共に仲が良く、いつも誰とでも楽しそうに話していが、見たときはあまり楽しそうに笑わない、人見知りのようなっていた。
太陽のような女の子だったのに。
太陽のような人達も、暗くなっていく。大人になるのか、世界が、そうさせるのか分からないが、つまらない。
自分の今の生活が嫌になった訳では、ない。仕事に不満もなく、友達もたまに遭う。結婚もして、妻と子供にも恵まれ穏やかな日々を過ごしている。
全てが、嫌になった訳ではない。
ただ、これからの日々が見えてしまった。仕事も上司のようになっていく、家庭も子供が大きくなっていく、友達も、同じように老けていく。
未来が明るくて、詰まらない。
俺は、これが欲しかったのか世間的にみて欲しいと思ったのか分からなくなってしまった。
たまに思う。
人生をやり直して同じ人生を歩むほどの人生を過ごせているのか。
人生をゼロからのスタートと、させたら俺は、やはり世間的な幸せを選ぶだろう。
自分という人間は、臆病者だ。
自分の不幸と、他人の不幸には同情する。
自分の幸福と、他人の幸福には同情しない。
何故だろうか?
もし、反対だったら自分の幸福と他人の幸福に同情する。自分の幸福度は、上がるだろう。
しがし、他人の不幸と、自分の不幸に同情しない。不幸の度合いは、増えるだろう。
人生が、楽しいのは後者だが私には無理だ。子供の時とはちがい、気づかないうちに怯えて臆病者になってしまった。
そんな、私に同情する人は多くはないのだろうか?
最近、ワインの量が増えた。
最初は、体のために赤ワインを二杯だけ飲んでいた。夜ご飯には、好きなパスタと、カプレーゼを作る。そして、夜の11:30分に眠くなる。
今は、赤ワインを飲んでも眠くならない。飲み過ぎだから、体のためとも言えない。食べ物は、自分では作らなくなった。音楽も、聴かなくなった。仕事で疲れてるけど、なにも出来ないほどしゃない。ただ、なにか、満たされない。
ワインを飲み始めた時は、今日と一緒に眠りに就いた。今は、夜の12:00を迎えてる。
そういえば、子供の頃は、夜の12時を回っても月がいたのが不思議だった。
時間が、天体を支配してると思っていたのだろう。
今日も、眠れずに月を眺める。少しずつ、痩せてきた月を。
今は、夜の11:59分。
後少しで、今日にさようなら。