あの花は、稚児の尻から咲く花か。
確かに、一人ひとり違う咲き方をするかもしれんな。
裏が判れば何と汚らわしい歌か。
そんなものを有り難がっていた我々も何と愚かなことだろう。
異常な思考回路を持つものに権利を与え過ぎた結果か。
否、人など皆何処かしら異常なのだ。
そして我々もまた、異常な何かを持つ一個体に過ぎないのだ。
テーマ「世界に一つだけ」
威勢の良い掛け声とともに大きな神輿を担いだ男衆が商店街の角から現れた。
夏真っ盛りの日差しも何のその、揃いの柿渋色の法被に白い股引き姿の男衆が、滴る汗を光らせながら街を練り歩く。
カカッとリズミカルな拍子木の音、遠くの方から近付いてくる祭囃子。
重そうな神輿は担ぎ手達に上下に激しく揺さぶられながら、目の前をゆっくりと通り過ぎていった。
テーマ「胸の鼓動」
突然、臨時放送に切り替わったテレビには煙を噴き出す二つのビル。
まるで映画のワンシーンのように旅客機が奥のビルに激突し爆発炎上。
薄黄色の粉塵とともにビルの一つが崩れ落ちた。
暫くして残された片割れもまた同様に崩れ落ち、画面には薄水色のきれいな空が映し出され。
群れて飛ぶよう鳥のように、オフィスで使われていただろう白い紙がチラチラと舞っていた。
テーマ「踊るように」
ケチャップとかマヨネーズとかさ。
容器にほんのちょっとだけ残ることがあるじゃん?
あれ、どうすればいいの?
使い切ろうとして料理に入れたら味が変わっちゃうし。
次使う時までって、とっといたら結局さ、冷蔵庫の肥やしになっちゃうじゃない?
まさか、口つけてチュウチュウするわけにはいかないでしょ。
みんな、どうしてるのか気になる。
すっごい気になる!
あと、歯磨き粉とかも、深追いしてるのかな?
気になる〜!
テーマ「些細なことでも」
いつ君が家に来ても大丈夫なように、せっせと部屋のお片付け。
カーテンレールやペンダントライトのカサ、飾り棚の奥の方に隠れている綿埃を排除。
ローテーブルの下に敷いてあるカーペットをベランダに干して、フローリングを念入りに雑巾がけする。
掃き出し窓を開け放ち、埃っぽい空気と共にベランダに出て、ちょっと休憩。
日に日に秋めく風に吹かれて、キンキンに冷えた麦茶を呷った。
テーマ「突然の君の訪問」