焦げてる面と、焦げてる面を重ね合わせて。
薄青色の平皿に焦げフレンチトーストを乗っけて、クルクル皿を回してみる。
ぱっと見、二枚重ねとは気づかない、はず!
皮を剥いて少しだけ厚めにスライスした桃とキウイを良い感じに盛り付けて。
駄目押しに粉糖で粉飾、君に勘づかれない程度にパタパタとふるって表面の薄い焦げを隠す。
よし、これで焦げはわからないだろう!
「……なんか、フレンチトースト分厚くない?」
サラダを食べ終えた君が、フォークでフレンチトーストを軽く突きながら小首を傾げた。
テーマ「向かい合わせ」
最近は、私も家で料理をするようになって、今では朝食作りを任されるほど腕を上げた。
朝食は肝心だ、朝食でその日一日の全てが決まると言われている、かは知らないけれど。
朝食が美味しくなかったら、仕事にも支障が出ちゃいそう。
私の職業は身体が資本だから。
それに、君には美味しいものをたらふく食べてほしい。
……太っちゃ嫌だけどね。
くくくっ、と喉の奥で笑いながら、フライパンの上でジュージューと音をたてているフレンチトーストをひっくり返した。
うそっ、焦げてる!
テーマ「裏返し」
自萌他萎、自萎他萌。
恋愛ものより友情がいい。
学園ものよりファンタジー。
俺つええは嫌、トラ転もちょっと……。
王道は飽きた、もっとニッチなものを求む。
む、む、む、……無い。
仕方がない、自給自足生活開始。
書き描き、塗り塗り、ツヤベタホワイト修正の嵐。
やっと完成!うpして一人ご満悦。
「つまんね」「なにこれ」「○○のパクり」
クソがっ!なら自分で描いてみろや――自主規制――!!
通報してやるBANだ!こいつもあいつもBAN!みんなBAN!
自萌他萎! 自萎他萌!
嫌ならソッ閉じして自衛!
テーマ「さよならを言う前に」
甘い言葉に惑わされ、ガラクタばかり集めさせられて。
本当に貴重なもの、必要なものほど、捨てさせられる。
後生大事に持っていれば嘲笑の的よ、我先にと簡単に捨てていく。
気付け目覚めろ、と嘯く奴等に急かされて脅かされて口車に踊らされて。
身ぐるみ剥がされ回されて、用が済めば廃棄される。
いらないものばかり与えられる、押し付けていく。
欲しいものなど一切与えられず、なんの役にも立たないガラクタが積み上げられていく子供部屋。
もう、何もかも面倒くさい。
テーマ「いつまでも捨てられないもの」
歩く。
暗い夜道、星も月も何も見えなくとも、夜空見上げて。
歩く。
朝焼けに染まる空の下、赤赤と輝く太陽に背を向けて。
歩く。
驟雨、濡れそぼつ身を震わせながら、ただ独り、宛もなく。
歩く。
テーマ「心の健康」