高い高い壁を作って囲って。
ゴミ投げ入れて押し込んで。
焼却、滅却、消毒、滅菌。
キレイキレイしましょう。
地球は一つ、世界は一つ。
ガラクタ、産廃、生ゴミ、汚物。
ぜんぶ、全部。
高い高い壁の中から、溢れ出てくる前に。
燃やせ、燃やせ、焼き尽くせ。
汚れた世界が少しでもキレイになるように。
テーマ「待ってて」
泣かないで。
あなたが泣いたら、私も悲しくなってしまうよ。
あなたの笑顔が見たいな、これで最後だから。
私はもうすぐ消えちゃうけど、ココに、ちゃんと居たよ。
あなたの側に。
あなたと同じ場所には逝けないけれど。
あなたの最期に寄り添うことは出来ないけれど。
あなたが居てくれたから、私は幸せだったよ。
ありがとう、さようなら。
私の、大好きな――――。
テーマ「伝えたい」
いつから走っていただろうか。
何度も走り続けて、見知った仲間が少しずつ居なくなっていって。
それでも走り続けて。
いつの間にか、私ひとり。
真っ白な霧の中を駆けていた。
背に乗る相棒も居らず、少々の心細さを感じつつも、ひたすら走る。
それが私達だからだ。
皆生きる為に生まれてくる、私達もそのように生まれてきた。
晴れることのない霧の中、蹄音を響かせひた走る。
テーマ「この場所で」
ドラマチックな人生なんて望んでいない。
愛したくない、愛されたくない。
関わりたくない、絡まれたくない。
平時、平静、平穏に。
好きなことをして生きていたい。
その細やかな願いを脅かす存在は。
須く根絶やしに。
テーマ「誰もがみんな」
TGIF!!
ルンルンご機嫌な足取りで仕事終わりに商店街を闊歩。
明日から三連休なので今夜は二人で映画鑑賞会、そのオトモに何か美味しそうな物はないかとキョロキョロ物色。
ケバブ、唐揚げ、おでん、どの店も「違うなあ」と通り過ぎて商店街を折り返す。
おでん、焼き鳥、唐揚げ、寿司、ケバブ、スーパー……。
最近またブヨブヨしてきた腹の肉をポケットに突っ込んだままの手で抓んで。
うんうん唸りながら、また折り返していたら買い物帰りの君に捕まった。
テーマ「花束」