こんなに暑いのに、蝶々は木々の合間をヒラヒラ飛んで、アシナガバチは葉から葉へ我が子に与える為の食料探しに励んでいる。
ジョロウはせっせと巣のメンテナンス中だし、蟻んこは列をつくって皆で何かを運んでいた。
虫は元気だなぁ、と冷房の効いた室内から窓の外を眺めながら、地球って虫の惑星だよなぁ、と、ぼんやり思った。
ふと網戸を見ると、大量の蚊が大変迷惑な出待ちをしている。
だがしかし蚊、テメェはダメだ。 去ね。
網戸に向かって殺虫剤をプシューと盛大に吹きかけた。
テーマ「空を見上げて心に浮かんだこと」
あきた。
手のひらに収まる程度に成長した青を、グシャリと握り潰す。
生温かい赤色の液体が、拳の隙間からドロドロと流れ落ちていった。
テーマ「終わりにしよう」
君達と共に生きる道も有った。
それはまるで、日溜りのような心地良い日々だったことだろう。
何度も夢見た光景、拍手喝采、笑い合い、助け合う仲間の存在。
差し伸べられた君の手を掴もうとして。
――私に光は似合わない。
逡巡の後、その手を振り払った。
拒絶され傷ついた君の顔を直視出来ず、背を向けて憎まれ口を利く。
そうして独り、暗く冷たい闇の中を歩む。
自身の信じる正義を貫く為に。
願わくは、君達と対峙することのないようにと、銀朱の月を見上げた。
テーマ「手を取り合って」
キラキラ輝いていないと価値はないの。
盛りに盛った写真を撮って、世界に発信。
毎日毎日、高級ブランドの衣服や装飾で着飾って、高いお菓子やお酒を貪りながらパシャパシャ。
高級品に取り囲まれたアタシも、価値ある存在に見えるでしょ。
家一軒ポンと買えちゃうような高級車を乗り回しても。
美男美女を侍らして、毎晩の様に遊び狂っても。
アタシ自身は、セミの抜け殻みたいに空っぽで、みっともないハリボテなのにね。
あー、笑える。
テーマ「優越感、劣等感」
だいたい五年。
それくらいで友達を切り捨てる。
別に嫌いになったからではない。
着古したお気に入りの洋服を捨てるような感覚。
もういいや。いらない。
着信拒否、アドレス変更、アカウント削除。
とてもスッキリする。
切り捨てられる友達には申し訳ないと思っているが、きっとこれからもやり続けるんだろう。
テーマ「これまでずっと」