君達と共に生きる道も有った。
それはまるで、日溜りのような心地良い日々だったことだろう。
何度も夢見た光景、拍手喝采、笑い合い、助け合う仲間の存在。
差し伸べられた君の手を掴もうとして。
――私に光は似合わない。
逡巡の後、その手を振り払った。
拒絶され傷ついた君の顔を直視出来ず、背を向けて憎まれ口を利く。
そうして独り、暗く冷たい闇の中を歩む。
自身の信じる正義を貫く為に。
願わくは、君達と対峙することのないようにと、銀朱の月を見上げた。
テーマ「手を取り合って」
7/14/2023, 4:22:07 PM