君が居なくなって、もう一年が経ちました。
キッチンのカウンターの上に置かれた、写真立ての中の君に指を這わす。
その眩しい笑顔を見つめる度に、君の声が呼び起こされた。
心底愉快そうな笑い声、甘ったるく名前を呼ぶ声、「ただいま」と少しだけ疲れたような声。
スン、と鼻を鳴らす。
じんわりと君の笑顔が滲んでいき、乱暴に目元を拭う。
拭っても、拭っても、拭いきれない程の涙が、ポロポロと零れ落ちていった。
君を失って、もう一年が経ちました。
この哀しみに慣れることは、きっと無いだろう。
テーマ「1年前」
寝食忘れて本にかじりついていたのは、十代の頃か。
その頃の脳ミソは柔軟で、文字の羅列から勝手に映像を創り出し、まるで一本の映画を観ているようだった。
ハードカバー一冊を三時間で読みきって、上下巻なら下巻を休憩もせずに飲まず食わずで読み続けていた。
とんでもない集中力、勉強に活かせば良かった、と後の祭り。
今では殆ど本を読まなくなって、昔読んだ本の内容も忘れてしまったけど。
お気に入りの本のタイトルと表紙は、今もしっかりと覚えている。
テーマ「好きな本」
不思議。
君が居ないだけで、家がこんなにも暗い。
たった半日だけなのに、何もやる気が起きなくて、ソファに寝っ転がって時間が経つのを待っている。
お腹がグゥと鳴るが、食欲は無い。
早く帰ってこないかな、とソファの上。
丸まって目を閉じた。
テーマ「あいまいな空」
君の冷たい肌に触れた。
しっとりと滑らかな白い肌。
君の黒い髪を撫でた。
いつまでも撫でていたくなる、やわらかい猫っ毛。
君の鼻をつまんだ。
高い鼻、綿が詰められてて、ちょっとブサイク。嘘、どんな姿でも君は可愛いよ。
君を囲う色とりどりの花達。
君が寂しくないように、君が好きだと言っていたコ達を沢山入れてもらった。
お棺の中の君の、安らかな顔を見つめる。
転寝しているような、美しい寝顔。
もう二度と見ることは叶わない君の顔を、この目に焼きつけるように。
テーマ「あじさい」
ニンジンはキライ。
リンゴは大好き。
干し草はキライ。
青草、クローバー大好き。
キャベツ、好き。
なんかツブツブしたやつ、好き。
えん麦とかヘイキューブ……、リンゴと一緒なら許す。
お水は常温で、夏は氷を入れてね。
扇風機の強めの風、す〜〜〜き〜〜〜ぃ〜〜。
食後の運動、大っ嫌い。
食後のお昼寝、だいすき。
テーマ「好き嫌い」