君が居なくなって、もう一年が経ちました。
キッチンのカウンターの上に置かれた、写真立ての中の君に指を這わす。
その眩しい笑顔を見つめる度に、君の声が呼び起こされた。
心底愉快そうな笑い声、甘ったるく名前を呼ぶ声、「ただいま」と少しだけ疲れたような声。
スン、と鼻を鳴らす。
じんわりと君の笑顔が滲んでいき、乱暴に目元を拭う。
拭っても、拭っても、拭いきれない程の涙が、ポロポロと零れ落ちていった。
君を失って、もう一年が経ちました。
この哀しみに慣れることは、きっと無いだろう。
テーマ「1年前」
6/16/2023, 6:17:47 PM