水35ℓ、炭素20kg、アンモニア4ℓ、
石灰1.5kg、リン800g、塩分250g、
硝石100g。イオウ80g、フッ素7.5g、
鉄5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素、
―――…そして少しの愛を注いで。
それだけで僕はあなたの望む姿で造られる。
【愛を注いで】
僕と君の心と心
水と油、磁石の対極
反発し合い、惹かれ合う
私とあなたの心と心
砂と土、炭素の硬度差
同じであって、同じではない
心ってなんだろう?
胸の隙間に埋(うず)まる不思議
抉り出して重ねれば
心が通うということなのかな?
【心と心】
Ps.先日♡500をいただきました!
いつも本当にありがとうございます。
泣いていても、笑って見られるように。
傷ついても、平気だとわかるように。
君に見せるすべての表情が、
君にとっていいものであるように、
―――隠して、偽って、欺いて、嘘をつく。
そして笑顔のまま、
いつか君に「大嫌い」と言ってあげる。
…そのためなら、
何でもないフリなんて簡単なことだよ。
【何でもないフリ】
君と手を繋いで歩く外は寒いのに、繋いだ手だけは暖かくて、ゆるく、ゆるく手のひらに力を入れた。
風は冷たくて凍えそうで、雨はじっとりと肌を伝う。僕と君以外は誰もいなくて、まるで世界に二人で取り残されたみたい。
ここに桜の花が咲く頃、僕と君はもういない。
冷めた視線と刺すような世間が僕らを殺した。無遠慮な悪口(あっこう)と無責任な噂が飛び交い、好奇の目に晒された僕らの心にもう擦り減るものはなくなってしまった。
一寸先も見えない真冬の海。さざ波の音だけが耳に聞こえて、僕らを手招いて呼ぶ。
―――…海の下にも都は…。
【手を繋いで】
ありがとう、ごめんね。
それはかつて私が君に贈った言葉。
君が私に別れを切り出したあの日、
私は君の理想になれなかったのだと知った。
泣くことも、怒ることも、恨むこともできず、
ただその事実だけが私には辛かった。
私を好きになってくれたのに、
私の想いを受け止めてくれたのに、
私は君に何もしてあげられなかった。
だからあの日、私は君にそう言った。
「私を好きになってくれてありがとう」
と、そして、
「君の理想になれなくてごめんね」
と。
【ありがとう、ごめんね】