灰と雪

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5/9/2026, 12:01:40 AM

1年前


 このアプリに惹かれたのは「日記以外を書いてもいい」という点だった。創作の上では私は私じゃなくてもいい。本当のことを書かなくてもいい。自分を直視しなくてもいい気楽さが良い。
 と思って、次の日仕事がある日は短歌、次の日に仕事がない日は短編をひとまず書いてみることにした。
 今回の「1年前」というテーマも、何ものかになって創作しようと思った。でも、やっぱり思い出してしまう。

 1年前、私は今までの中で最も幸せな日々を送っていた。マッチングアプリで出会った    くん。出会う前から気があって、はじめて会った時は懐かしさを覚えた。1回目のデートで    くんから「結婚を前提に付き合ってほしい」と言われて、2時間悩みに悩んで、「この人がいい」とやっぱり思えたからお付き合いスタート。お互いの家は車で5時間かかるから、会うのは月に1、2回。会えない日は毎日通話して、寝落ち電話があまり好きじゃなかった私も、    くんとなら寝落ち電話を何回もできた。かっこつけな私にとって、    くんははじめて心から素を出すことができた人だった。

    くんとメッセージのやり取りをして、今日で1年と4ヶ月。
    くんと付き合って今日で1年と3ヶ月。
    くんと指輪を選んで今日で10ヶ月。
    くんからプロポーズされて今日で8ヶ月。
結納してから今日で6ヶ月。
婚姻届を出してから今日で4ヶ月。
    くんが亡くなってから、今日で3ヶ月。

    くんが突然いなくなって、毎日、私に明日なんてこなくていいのにと思いながら寝るのに、朝目が覚めることがつらい。でも、私はかっこつけだから、身内にも職場にも「もう平気です」なんて顔をしてやり過ごす。悲しい時、悲しいと言える人はもういない。つらい時、つらいと言える人はもういない。弱さも甘えも含めて受け入れてくれた    くんはもういない。


 

5/7/2026, 8:54:41 PM



初恋(はじめたるこひ)の日
※恋の最初の段階


顔が好きだけなら楽しい恋なのに性格も好きで苦しくなって

好きになるための条件を絞り込み手当たり次第にいいねをばら撒く

先輩のせいです。あれから何年も経つのに年上ばかり好きになります。

5/6/2026, 1:05:13 PM


明日世界が終わるなら


 いつ死んでもいいって思っていたの。みんな、私のことを、「きれい」だとか、「好き」だとか、勝手に言ってくれるけど、うわべだけ見て、その時だけ利用されるなんてうんざりだったから。
 私の価値って、花の咲くあの一瞬だけ?春が過ぎて葉を青々とつけるあの時も、葉の色が赤く変わっていくあの時も、葉がだんだんと落ちて幹だけで佇むあの時も、全部全部全部含めて私なのに。
 本当は、丸ごと全ての私を好きって言ってもらいたかったけど、それでも、愛されたいから、必要とされたいから、だんだん水も土も汚れてくる中、あなたたちに「好き」って言ってもらえるように、60年も花を咲かせてきたこと、少しくらい褒めてくれたなら「生きててよかった」って思えたのかな。

 いざ、もうダメだって、自分でもわかってくると、花が散るだけじゃない、本当の終わりを看取ってもらいたいと思ってしまうの。迷惑かけちゃうのは分かっているけど、このまま死んでしまって、「ただ木が折れた」だけで終わってしまうと思うと、何のために生きてきたのか本当にわからなくって…。別に一緒に死んでなんて言ってないよ。ただ、遠くからでもいいから、終わりに寄り添って欲しいの。「お疲れ様、最後まで大好きだよ」って言われて、満足して終わりにしたいの。誰か、誰か、側にいてよ。


 
 通勤途中にあるソメイヨシノの木が今年も1本折れていた。倒木に巻き込まれた人がいなかったみたいでよかった。ここ2、3年、この辺の木全体的に花のつき方が良くないから、5年もしたら全滅するかもしれないな。
「今日のテスト、普通に死んだわ。最悪。まじ世界滅亡しないかな」「それな」「俺今日より明日の方がやばいから、滅亡するなら明日にして欲しいわ」
とか、すれ違った高校生が、高校生らしく、自己中心的でかわいげのある会話をしていた。