谷崎じゅん

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2/15/2024, 11:40:06 AM

10年後の自分から

歯を磨きなさい。彼女がいるなら爪を切りなさい。
香水のきつい男は嫌われます。毎日お風呂に入りなさい。

自炊をしなさい。お金の使い方を考えなさい。

楽にお金を稼ぎなさい。血圧は抑えなさい。

とりあえず生きていなさい。

2/14/2024, 10:44:14 AM

バレンタイン。気になるあの子に貰える自信は無いからと、男子である私が手作りのチョコレートを渡すと、彼女は意外にも喜んでくれた。こういうのを肉食系男子とでも言うのだろうか。いや、そんな訳無いか。それにしても、ホワイトデーにあの子からお返しを貰うのもどこか変かもしれないが楽しみではある。ただ、帰り道にその子が一学年上の先輩に本命のチョコレートを渡している所を目撃したのは無かった事にしておこう。たまには自分から行動を起こさねば恋は始まらない。まぁ今回は始まらずにして終わったが、それも無かった事にしておこう。

2/14/2024, 7:34:38 AM

私には初恋の人がいる。
何故、過去形で表記できないのか。

それは現在進行系で恋をしているからである。

では、何故好きな人と表記しないのか。
それは叶わぬ恋だからである。

私がちっぽけなランドセルを背負い笑顔を浮かべる頃、
あの子は慣れないスカートとローファーに戸惑っていた。

あの子が桜の木の下で黒い筒を片手に笑顔を見せる頃、
私はようやく本当に大切にしたかった人を見つけた。

あの子は高校卒業と同時に嫁に行ったのだった。
年齢は彼女より一回りも年上の紳士だった。

そして結婚式、彼女は白いハイヒールを履いていた。
かつかつという乾いた音とは裏腹に足取りは乱れていた。

私は茶色い皮の少し薄汚れたスニーカーを履いていた。
革靴に似せた、大人ぶったスニーカーだった。

私は彼女の従兄弟という身分なのでリングボーイなんていう役を回され、ヴェールを被った彼女の元へこつこつと湿った音で、かつ整った足取りで真っ直ぐ歩いて行った。

今思うと、私と彼女は似ていたのかもしれない。

新婚旅行でハワイへ向かう彼女を笑顔で見送ってみせた。

彼女は今度は真っ赤なハイヒールを履いていた。
ふわふわと優しい雰囲気の彼女には全く似合っていない。

足取りも相変わらず危うい中、紳士の腕に何とか縋り付いて歩いていた。彼女も大人ぶっていたのだった。


新婚旅行先で彼女は死んだ。理由なんぞ忘れてやった。
あんまりにも情けない死に方だったからだ。

取り残された紳士の元を訪ねると彼女の遺品を見せてくれた。何本もの折れたヒールと、使い古された桃色のパンプスだった。


紳士は「彼女、僕に似合う人になりたいからってハイヒールなんて履きだしちゃってさ。本当に僕には勿体ない人だったなぁ。」なんて惚気気味に言うものだから肯定するしかなかった。



「ハイヒール、やめてみたら?歩きにくいでしょ?」と彼女にいつしか聞いてみたらきっと、『貴方に私の何が分かるっていうの?』と答えてくれるであろう。というか、そうでなければ私はやり切れない。

いつの日か、私もあの人の元へ行く。その時は私も赤いハイヒールを履いて彼女をからかってみせようか。いいや、真っ黒な革靴でも履いて見せびらかしてやろうか。…でも私が大人ぶった所で無駄かもしれない。

私は今、中学1年生。彼女は享年19歳。

私は最後まで彼女にタメ口をきいていた。もし彼女が「私の方が歳上なんだからもう少し丁寧に喋ってよ」とでも言ってくれたら、こんな事にもならなかったろう。

曇った空に私の愚かさが残っていった。

もう少しだけ彼女が待ってくれるのなら、私は…。

2/12/2024, 1:04:13 PM

どんなに愛しているとしても、肌身触れ合って身体で愛し合わなければ意味が無い…なんて堅い事を考えてしまうのも、自分がまだ思春期の男児である証拠なのだろうか。どんなに吾が人を推してみせたとて、その人に気持ちが伝わるでも無いのならこんな気持ちをいっそ捨ててしまいたい処だ。どごぞの歌であったろう?「この世で造花より綺麗な花は無いわ」とかいった歌詞が。きっとこの気持ちもそんな物なのだろう。所詮私は「推し」に対して劣情を抱く事しか脳の無い生き物なのだろう。一つ、ただ一つ、伝えたい事がある。


君に誓ふ 阿蘇の煙の絶ゆるとも 萬葉集の歌滅ぶとも
私は貴方のためならば両目を突いて死んでやろう


気持ち悪いとでも何とでも言ってくれ。むしろ言ってくれなきゃ困る。これも一種のマゾヒズムってやつだ。

2/12/2024, 7:34:38 AM

FUJIというスーパーの脇に建つ、小さな讃岐うどん屋で家族3人でお昼にした。鳥の天ぷらに桃色をした流行りのピンクソルトをかけるととても美味だった。わざわざ食べに赴くほどの味ではないが少し新しい味を知ったようでどこか喜びを感じた。15時を過ぎると、未着手の大量の課題のことをふと思い出し気が重くなったが日付けが変わる頃までには何とか終わってしまうかもしれない量だ。さて、あと6時間後まではこの硬い椅子の上で白紙のノートにあせあせと数字なり何なりを綴らされる事になるであろう。

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