「キャンドル」
小さい頃あいつにしてやったように久しぶりにキャンドルを焚いてみた。昔の記憶が溢れそうになるくらい流れてきて、これじゃ懐古厨と笑われても仕方ないかもなと1人で嘲笑う。しばらく物思いにふけているとガチャ、と人が入ってくる音が聞こえた。やっと来たか。そう思ってドアの方を見ると少しびっくりしたかのような嬉しそうな表情を浮かべてこっちにやってきた。「これ、懐かしいね」と一言。なかなか俺に向けてくれないような優しい微笑みで少し嫉妬してしまった。
「命が燃え尽きるまで」
俺たちの終わりなんか検討もつかないしどんな風なのかも分からない。どっちが先にいなくなるかも。だからこそお前をお前だけをただ愛して大切にして俺がいた証を記憶に刻みこもうと思うんだ。俺がいなくなるその時まで。
「本気の恋」
今までにこんな経験をしたのは初めてだった。いつもなんとなくでのらりくらりと生きて付かず離れずな関係しか築いてこなかったこの俺が初めて本気になれた相手。
その眩しい笑顔もたくさん食べ物を食べるところもなんだかんだ言って俺のそばにいてくれるところも全部全部大好きなんだ。
お前以外考えられない。
「胸の鼓動」
君に触れるだけで君が笑いかけてくれるだけで鼓動が早くなって。初めての経験だった俺は病気なんじゃないかって君に焦って伝えてしまって。君は笑いながら違うと言って。自分もそうなんだと言ってから今までに見たことのないような優しい表情でその感情の答えを教えてくれたね。今でも俺は君を感じるだけでおかしくなってしまうほど鼓動が早くなってしまうよ。
「踊るように」
君が初めてお好み焼きを食べた時。踊るように動くかつお節を見てとっても驚いていたよな。目を輝かせてどうしてこうなるんだと。そんな君を見て俺はなんとも言えないような愛おしさに襲われて、返事ができなかったね。
久しぶりに食べに来たけどまた君は踊るかつお節を見て、にこにこしながら楽しそうに話しかけてくるものだからあの時の答えをまた言えなくなりそうだ。