「雨と君」
こんな天気の日はどうしても君を思い出してしまう。いつ君の家に行っても雨ばっかりで、傘を刺さずに歩いているところを見つけた時にはついに頭がおかしくなったかと心配したんだぞ。それでも好きになってしまったのだから何があっても最後には笑って許してしまう。でも傘はさして欲しい。体調を崩されると困るからね。
「見知らぬ街」
俺がこの街に訪れなくなってから何年が経ってしまったのか。見慣れていたはずの景色も全て変わってしまったらしい。また再びこの地に足を踏み入れたのは俺の最愛の人に会うためだ。屈託のない笑顔を振りまくようなあいつに。随分変わってしまったこの街をまたあいつに案内してもらうことにした。自慢げに笑うあいつが何よりも愛おしいから。
「キャンドル」
小さい頃あいつにしてやったように久しぶりにキャンドルを焚いてみた。昔の記憶が溢れそうになるくらい流れてきて、これじゃ懐古厨と笑われても仕方ないかもなと1人で嘲笑う。しばらく物思いにふけているとガチャ、と人が入ってくる音が聞こえた。やっと来たか。そう思ってドアの方を見ると少しびっくりしたかのような嬉しそうな表情を浮かべてこっちにやってきた。「これ、懐かしいね」と一言。なかなか俺に向けてくれないような優しい微笑みで少し嫉妬してしまった。
「命が燃え尽きるまで」
俺たちの終わりなんか検討もつかないしどんな風なのかも分からない。どっちが先にいなくなるかも。だからこそお前をお前だけをただ愛して大切にして俺がいた証を記憶に刻みこもうと思うんだ。俺がいなくなるその時まで。
「本気の恋」
今までにこんな経験をしたのは初めてだった。いつもなんとなくでのらりくらりと生きて付かず離れずな関係しか築いてこなかったこの俺が初めて本気になれた相手。
その眩しい笑顔もたくさん食べ物を食べるところもなんだかんだ言って俺のそばにいてくれるところも全部全部大好きなんだ。
お前以外考えられない。