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1/14/2025, 10:07:13 AM

『そっと』

朝日が窓から差し込む。
思い瞼をこじ開けてカーテン越しの青空を見つめた。
起き上がる拍子にめくれた布団に隣で寝ていた君が小さく唸り声をあげる。
閉じられた瞼はまだ開く気配を見せないままだ。
言い様のない幸福感に包まれて、少し寝癖のついた君の髪をそっと撫でた。

1/13/2025, 12:16:01 PM

『まだ見ぬ景色』

まだ見ぬ景色を隣で綺麗だねって笑ってくれるのは君であってほしいと思った。

1/12/2025, 11:12:23 AM

『あの夢の続きを』

BL表現あります。お気をつけください。

「なぁ、月島」
あなたが柔らかく微笑む。
どうしたんですか、なんて無愛想に答えた裏で仄かに弾んだ心をあなたに悟られてはいないだろうか。
「とても綺麗だろう?」
その言葉で、自分が花畑のど真ん中に立っていることに気づく。
それと同時にむせ返るほどの甘い香りが鼻腔をくすぐった。
「そうですね」
すごく綺麗だけれど、記憶を辿ってみても、なんでここにいるのかを思い出せない。
あなたに尋ねようとして、その前に蕩けそうなほどに甘さを孕んだ眼差しが向けられていることに気づいた。
「お前と見たかったんだ」
背筋がびりりと震えた。
その瞳が示すところがなんなのか、その感情がどんな相手に向けられるものなのか、全てを一瞬で悟って、身体中の血が沸騰するような感覚に襲われる。
「……お、俺も、です」
あなたの瞳が柔らかく細められた。
わかりやすく幸せを伝えるあなたに引き寄せられるように、伸ばされたその腕に囲われる。
静かに降り注ぐ唇に応えようとしたところで、世界が暗転した。

ふわりと意識が浮上する。
目に飛び込んでくるのは見慣れない天井と布団。
あぁ、そうか、昨日は鯉登さんと呑んだんだっけ、と鈍く痛む頭で考える。
あれ、と思考が止まった。
「あぁ、夢か」
夢は欲望の具現化なんてよく言ったものだ。
わかりやすい具現に笑いが込み上げる。
「なんだ、起きたのか」
珍しく俺より先に起きて庭を眺めていた鯉登さんが振り向いた。
「はい、今」
少し乱れた寝間着を直しながら鯉登さんの隣に並ぶ。
光芒が緑を照らした。
小さく息を吸う。
あの夢の続きをこの世界で見るために、鯉登さんの瞳を見つめた。

1/11/2025, 10:30:34 AM

『あたたかいね』

「手を繋ぐとさ、あたたかいね」
緩く繋いだ手を軽く揺らして、君がふわりと微笑む。
そうだね、なんて返事をして、君の手を強く握り返した。

1/10/2025, 10:53:29 AM

『未来への鍵』

未来への鍵に手を伸ばして、少し掠めた指先の感覚を失わないように、全ての力を振り絞った。

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