『あなたとわたし』
性別は決めてないので好きに解釈してください!
あなたが好きなの。どうしても、あなたじゃないとだめなの。ごめんね、好きになって。
震えた声で言葉を紡ぐ私の肩に、あなたがそっと触れる。
やけに熱く感じるのは、あなたが温かいのか、わたしが冷たいのか。
いつも春みたいだな、なんて思っていた声が少しの緊張を孕んで降ってきた。
「わたしも、君が好きだよ」
世界の音が止まった。心臓が、どくりと音を鳴らして生を知らせる。
「……え」
「わたしも一緒。君じゃないとだめみたい」
信じられないけど、信じるしかなかった。これが夢だったらどうしよう、なんて思えないほどにあなたの瞳には本気が宿っている。
好きだな、なんて今まで幾度となく思ったことをあらためて実感した。
わたしとあなたの心が、初めて温度を持って触れあう。
あなたとわたしの願いがひとつに重なったから、ずっと触れたいと願っていたその心に足跡をつけた。
『柔らかい雨』
あなたがそばにいてくれるだけで、一人じゃ耐えられなかった冷たい雨でさえ、光のような柔らかい雨に姿を変えた。
あなたの涙を覆い隠すような、そんな柔らかい雨になりたいと願った。
『一筋の光』
BL要素あります。お気をつけください。
何も見えない底無し沼のような俺の世界で、やけに眩しい顔であなたが笑って、手を差し伸べるから、その手にすがり付きたくなった。
掴んでいたはずのものさえなくなってしまったのに、生きる意味なんてなくなったのに、無意味にも生に執着する俺を、その愚かさや醜ささえあなたが受け止めてくれたから。
この身も心も、あなたに捧げると決めたんだ。
あなたが美しいと思える世界であることを、ただひたすらに希っていた。
あなたが美しいと思う世界を、誰よりも大切なあなたの隣で見たいと思った。
――ねぇ、鯉登さん。俺の生きる意味なんて、あなたが笑ってくれるだけで満たされるんですよ。
そんなこと知らなくてもいいから、ずっと幸せでいてください。
俺を、あなたの隣で幸せにしてください。
俺にとって、一筋の光のようなあなたを見失わないように、その手を力の限り握りしめた。
自分が濡れることさえ厭わずに濡れている人に傘を差し出して、できるだけ多くの人に優しさを分け与えようとするような、誰の一筋の光にもなりえるような男だったから、そんなお前に傘を差し出すのは私であってほしいと思った。
今日は鯉月両方の目線から書いてみました(鯉登さん短いですすみません)。
鯉登さんは太陽みたいな光、月島さんは月みたいな光だと思ってます。
『哀愁を誘う』
あなたには哀愁を誘うような、そんな悲しそうな顔をしてほしくなくて、無防備に晒された白い頬に手を伸ばした。
『鏡の中の自分』
あなたと一緒にいられるときの鏡の中の自分が、いっとう嬉しそうな顔をして見えた。
あなたに可愛く見られるために鏡の中の自分とにらめっこをしていた私は、今はそんなことをしなくても、あなたにありのままを見せれるようになりました。
鏡の中の自分がやけに浮かない顔をして見えたから、たまには学校をサボってみることにした。
たまにはそんなことがあってもいいんじゃない?
自分のことは自分で労ってあげたいの。