にゃほ子

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2/22/2023, 2:43:34 PM

『太陽のような』

この結婚は…お互いの気持ちが通っていなかったの

かもしれない。

最初は幸せであろうとした。

だけど…

夫は、私の気持ちや動向に理解を示さず

毎日、寂しい気持ちばかりを募らせていた。

そんな、気持ちが日陰の生活。


ある日…私に太陽のような人が現れた。

パート先の男性社員。

ある時、今の気持ちを吐露する流れになり

話してしまった。そんな私を彼は理解してくれた。

気持ちに寄り添い、居心地いい人。

…だけど、想いを通わせてはいけない。

私は既婚者で、彼は独身者。

近くで話しを聞いて、理解してくれたら…

それだけで、私は救われる。

彼のおかげで、私の日々は少し明るくなった。

太陽のような人…このままもうしばらく

私の気持ちを明るく照らし続けて。

私の想いにどうか気付きませんように…。

2/20/2023, 11:08:23 PM

『あれは…』

同情からだったのだろうか?

たまに、思い出すけど…今は違うと分かっている。

学生時代、私は人見知りで友人も少なく

教室の隅で過ごすような子だった。

唯一の楽しみは

放課後の図書室で、1人読書する事。

この高校は、読書に力を入れてて

図書室が他の学校より広かったのだ。

お気に入りの場所は…奥の窓際。

放課後の陽を浴びながらの読書が

至福のひととき。

そんなある日、私に事件が起きた。

「その本面白い?」

自分に聞かれてるとは思わず、読み進めていた。

「倉木さん、それ面白い?」

「………?!へっ?」

「…あっ!面白い…よ」

間抜けな反応にも、爽やかに笑う。

クラスで人気者の

小野田くんが話し掛けてきたのだ。

…その日を境に、

私達は、放課後読書する仲になる。

3年生になり、気付けば卒業式間近。

小野田くんから、思いもよらない事を言われる。

「倉木さん、うちの高校てさ卒業式に

ネクタイ送り合うじゃない?」

「好きな人にさ。」

「あー、うん。聞いた事ある。」

その後、何かを言いたそうにして気になった。

だけど、ゆっくり待つ事にした。

「倉木さんの…ネクタイ欲しい。」

「えっ!?」

あまりに唐突な発言に、驚いてると

「……!ごめん、気にしないで。またね!」

小野田くんは、慌てて席を立っていってしまう。

『どういう事!?…友人少ないから同情した?』

色々考えたけど、分からずその日は帰った。

翌日からも、小野田くんは変わらず放課後来た。

何事もなかったような笑顔で。

…あの一件がうやむやなままの卒業式。

長い祝辞に後輩からの送辞…あっという間に終わり

みんな、それぞれにネクタイ交換をしている。

私は、もちろん誰ともする事なく

学校を後にした。

駅のホーム、ベンチに座って

ネクタイを取り、髪もほどいて

自由なんだと感じたと同時に…

なぜか涙が一気に溢れてきた。『…なんで?』

慌ててハンカチを探していると

「はい。良かったら使って。」

ハンカチを差し出された…手の先には

「小野田くん…?」

彼が、変わらず爽やかに笑っていた。

「やっぱり、諦めきれなくて…ネクタイ交換。」

「僕ね、ずっと好きだったんだ。倉木さんの事」

信じられず、ただ涙を抑えて聞く事しか出来ず

「忘れちゃったよね?…入学式、雨で…」

「校門前で車に泥はねられちゃった僕に」

「君は、ハンカチ今みたいに差し出したんだ。」

うっすら記憶はあるものの

小野田くんかは覚えてなかった。

「それから君を好きになった。僕も人に優しく

しようって思ったんだ。」

気付いたら、手には小野田くんのネクタイ。

…私は、放課後を共にするよになって

彼を好きになっていたんだと、ようやく気づいた。

「…私ので良ければ、受け取って。」

私も、穏やかに笑顔で彼に渡す。

「私も、一緒にいるようになって…好きになってた

みたい。」

顔赤くして、嬉しそうに

私の手ごと掴む小野田くん。

「ありがとう!」

そうして、2人の時間が始まり…

年月は経ち、私達は大人になった。

変わらず穏やかな時間が流れている。

「小野田くん、待って」

「小野田くんて…もう君も小野田だよ?」

「……あっ!」

爽やかな笑顔と穏やか笑顔

私達はこの先、幸せな時間を永く過ごす事になる。

2/18/2023, 3:09:10 PM

「今日にさよなら」

今日こそは、さよならするんだ!

いつも、いつも誘惑してきて、今日こそは断る!

アイツのとこを素通りするんだからっ!

絶対に!…ぜっ…たいに…

「あ〜!甘子さん!今日、新作のケーキ出来たんで

すよ〜。試食お願いします。」

くぅぅぅ〜っ!今日…こそ…は… 泣

私の仕事は、スイーツ専門のフリーライター。

そこそこ、人気もあるし、

職人さんからは確かな味覚に、

流行をおさえる観察眼が信用されている。

だから、ケーキ屋さんの前通ると

…いつも呼び止められる。

私も、好きだから食べてしまう。

最近の悩みは…増えてきた体重。

少し控えたいのに!ダイエットしたいのにーっ!

「新作美味しいっ♡これいけますよ!」

あぁぁぁ〜っ!私のバカ…。

今日の決意にさようなら… 涙

2/18/2023, 5:53:15 AM

『お気に入り』

私のお気に入りは

…冬はふかふか暖かく

…夏はひんり涼しい場所になる。

「あら?ごちそうさま?」

「今日もあの場所行くのね。」

そういうと、ママはいつも頭を撫でて、笑う。

「にゃーん(そうよ。ごちそうさま。)」

私は、ひと鳴きする。

ママの優しい笑顔と優しい撫で方が好きで

触られると、手の平にスリスリしてしまう。


冬のお気に入りの場所。

陽が当たる場所に

ふかふかの毛布が入ったカゴがある。

私は、そこへ入り、くるんと丸くなって眠る。

夏は日陰の冷房が程よい場所に移動。

冬のお気に入りに気持ち良く寝てると

パパとママがふっと微笑み幸せそうに眺める。

私はその気配を感じながら眠るのが幸せ。

「ふふっ。今日も幸せそうね。」

「本当だな。いい寝顔だ。」

パパとママに感謝しながら、

私は今日もお気に入りの場所で眠る。

2/16/2023, 1:17:08 PM

誰よりも、絵を描く事が好きだった。

小さな頃、みんなが私の絵を褒めてくれた。

だから、私は喜んで欲しくて

みんなの為にたくさんの絵を描いた。

それから、大きくなって

絵を描く事を辞めてしまった…。

世の中、私以上に絵が上手…

才能ある人がたくさんいるのを知ったから。

誰よりも絵を描く事が好きだった私が

誰よりも絵を描く事が嫌いになった。

ひとり暮らしの為に、引越しをする事になって

押し入れを整理していたら

誰よりも絵が好きだった頃の私が描いた

お絵描き帳が出てきた。

家族みんなの笑顔たくさんの絵。

楽しくてしょうがないて感じの絵がたくさん。

誰よりも好きだったもの。諦めて良いのかな?

気が付いた時には

私はノートに絵を描き始めてた。

引越しの作業そっちのけで。

夕方になり、描きあげた絵を見た。

殺風景な私の部屋の絵。…でも、そこに1つ

あの頃の私が、大好きを込めたお絵描き帳。

勉強机の上に飾ってるのを書き足した。

…やっぱり絵を描くのが好きだ。

まだ、諦めたくない。

誰よりも好きな事。私にはあった。

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