ゲーム豆腐@気まま投稿

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10/15/2023, 2:32:51 PM

いるまside

鋭い眼差しとはある意味歪んだ愛の形なのかもしれない。
幸せと不幸せは紙一重で、少しでも崩れたら同じなものになってしまうものでもある。

朝日がほんの少しの扉から来た。その朝日は白くて、真っ暗いこの部屋の中では少しの明るさになっていた。
別に起きようともしていない。どうせ動けないのだから。
『おはよーいるま♡』
そんな甲高い声と同時にドアが開ける重たい音が鳴った。これからのいつもの日常が始まってしまう。
『いい夢みれた?』
そんな質問されても答えるわけがない。らんは少し前から可笑しかった癖があった。それが何個も何個も積み重なったのがこの結末。
『......』
ほら、こう黙ってたら怒ってくるでしょ。わかってるよ。らんの癖は全て把握してる。
『返事しろよ!!』
今日は何するの?でもこんな顔してくれる、またはさせられるのは俺だけなんでしょ。
『ヒューヒューひゅー』
苦しいっなにこれっもしかして今俺
          首締められてる?
『らんっひゅーわかったがらっ!こたえるがらっ』
クパッと音が鳴って俺の首元が開放された。
『どう?いい夢みた?』
鋭い眼差しをして、俺の事をみた。初めからこれを狙っていたんだ。この顔がどうしてもたまらない。
『夢は見なかったけど、今はいい夢だよ』
鋭い眼差しは俺にとっては歪んだ愛情でしかない。この関係は可笑しいとは分かっている。だけど、辞められない。この歪んだ関係でもらんとずっと一緒に居られて、永遠になれるならこの関係は嫌いじゃなくて寧ろ大好き

らんside
俺の癖はすぐに感情がふつふつと心の中から湧いてきて、すぐに言葉や手に出てしまうところだ。別にこれが悪い癖だとは思ってない。だっているまがもとめてるんだもん。好きな人が求めてるものを分け与えて何がわるいの?
『夢は見なかったけど今はいい夢だよ』
この言葉はいるまの本心なのかそれとも、××のせいなのかは分からないが、少なくともいるまは求めてくれる。
いるまは多分俺が与える鋭い眼差しは歪んだ愛情で自分にしかくれない顔だと思っているが、俺はそうだとはおもわない。
歪んだ愛情じゃなくて、それはいるまが与えたものなんだから。悪いのは俺じゃなくているま
この関係は正しいもので世界一幸せな関係。ずっと辞める気もないし、この関係でずっといるまと一緒にいる。これが今では最優先なのだ。永遠になれて、このまま幸せが続くなら、嫌いなんて言葉が、要らないくらい大好きな世界で埋め尽くされているんだ。
『これからも逃がさないからね』
この言葉と同時にいるまの手首に××を打ち込んだ。

10/13/2023, 12:13:56 PM

『ねぇーお菓子買ってきて!』
自分の彼氏は22歳という成人男性の癖に子供みたい。

朝、アラームの音で目を覚ました。カーテンを明け、光が部屋を照らした。一人暮らしなため、ご飯は食べてもいいがめんどくさいため、食べていない。そのせいか、キッチンは新品のような綺麗さだ。今日は二講座目から授業があるため、1人で電車に乗り、大学へ向かった。別に友達がいない為1人で大学のつまらない、必修科目の基礎科学を受け、1人で昼飯を食べていると背中に何かが飛びついてきて背中が勢いよく丸まった。
『うわぁっ!』
と私がびっくりしていると彼は私を見てニコニコしながら、
『どう?びっくりしたでしょ!』
なんて、呑気に話しかけてきている。彼は蒼井 ころん。私のいわゆる彼氏という存在だ。大学4年生で、教育学部教育学科な為就職活動のはずで忙しいのにこんな感じでいつも呑気にいる。そんな私は
『びっくりしたよwあれ?講義はいいの?』
教育学部教育学科は必修科目の講義が多く、忙しい。はずだかなんて言ったって
『僕成績いいから!必修科目以外はあんまり取ってないし、基本的にるぅちゃんに合わせるよ〜』
そう彼はこんなに呑気にも関わらず成績がいい。
何故か分からないが特に理系科目は成績がいい。私は彼とは真逆な文系科目なため、羨ましい限りだ。
『あ、その卵焼き美味しそう!1個ちょーだい?』
男性にしては小柄であり165cmと小さい。そのため、いつも上目遣いをして、狙ってくる。ほんとは、可愛いというのを自分の武器にしていると...思う。でも可愛いのも事実なため、仕方ないから卵焼きをいつもあげている。
『あっつ! 美味しぃ〜』
まさに子供みたいな顔して、モグモグと食べている。時計がチクチクと音を鳴らして、動いている。時計は1:30を刺している。次の講義開始は1:45。彼氏にかまっているせいであまり昼ごはんを食べることが出来なかったが、まぁ仕方がない。
『そろそろ行くね』
というほんとは別れたくない。まだいたいと思うが、仕方ない。淋しいという感情を心の花瓶に詰め込んで蓋を閉じて言った。
『そんな時間!?るぅちゃんと喋ってるとなんだか、時間が早くすぎてる気がする...』
彼も次の講義があるはずだし、今は就活生なんだから、もう少し時間に対して厳しくなった方がいいと思うが...
『じゃあまた帰りね』
という言葉を残して、その場所を去ろうとした。

その瞬間目の前を車が横切ろうとした。ビィーーーという車のクラクションが耳に鳴り響いた。時計がチクチクとなるほんの数秒の間のことだ。自分は一瞬死を覚悟して目をつぶった。
グッと腰に手を回されて強い力で後ろに引っ張られた。そして、草むらに腰をドスッという音を鳴らして落とした。体制としては彼氏に腰あたりに手を回され、抱きつかれているかのような体制だ。自分は足を前に出し手は固定されていて動けない状態になっている。
『るぅちゃん。大丈夫!?』
自分は少し放心状態になっていたため、少し間を開けてから
『えっ、うん...大丈夫』
なんて言葉を放った。その瞬間腰から手を離し、草むらに寝転がった。
『車来てたのに止まらずに行こうとするんだもん...』
自分は車を確認せずに渡った。ここは公園の草むらと草むらの間の道路。滅多に車を通ることも無いため、自分の中では多分だが大丈夫と少し過信していた部分もあったんだと思う。
『...ごめん。気づかなかったからころんがいなかったら死ぬところだった...』
自分の中で反省をもって彼氏の顔を見あげた。
『大丈夫だから...とりあえずるぅちゃんが怪我しなくてよかった。』
と言って私の唇に暖かいものを与えた。この世でいちばん暖かくて、安心ができるもの。
『改めて次の講義も頑張ってね』
『そういうころんもね』
そんな言葉を残して、注意しながら道路を渡った。

子供ぽくって、元気よく、よくおねだりもしてくるが、そんな彼でも頼れて、自分に暖かいものをくれる人だ。
子供ぽいが実は自分より遥かに大人な彼。
ほんとに子供なのは自分なのかもしれないと思うのと同時に彼への愛がまた落ちたのを感じた。