ゲーム豆腐@気まま投稿

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『ねぇーお菓子買ってきて!』
自分の彼氏は22歳という成人男性の癖に子供みたい。

朝、アラームの音で目を覚ました。カーテンを明け、光が部屋を照らした。一人暮らしなため、ご飯は食べてもいいがめんどくさいため、食べていない。そのせいか、キッチンは新品のような綺麗さだ。今日は二講座目から授業があるため、1人で電車に乗り、大学へ向かった。別に友達がいない為1人で大学のつまらない、必修科目の基礎科学を受け、1人で昼飯を食べていると背中に何かが飛びついてきて背中が勢いよく丸まった。
『うわぁっ!』
と私がびっくりしていると彼は私を見てニコニコしながら、
『どう?びっくりしたでしょ!』
なんて、呑気に話しかけてきている。彼は蒼井 ころん。私のいわゆる彼氏という存在だ。大学4年生で、教育学部教育学科な為就職活動のはずで忙しいのにこんな感じでいつも呑気にいる。そんな私は
『びっくりしたよwあれ?講義はいいの?』
教育学部教育学科は必修科目の講義が多く、忙しい。はずだかなんて言ったって
『僕成績いいから!必修科目以外はあんまり取ってないし、基本的にるぅちゃんに合わせるよ〜』
そう彼はこんなに呑気にも関わらず成績がいい。
何故か分からないが特に理系科目は成績がいい。私は彼とは真逆な文系科目なため、羨ましい限りだ。
『あ、その卵焼き美味しそう!1個ちょーだい?』
男性にしては小柄であり165cmと小さい。そのため、いつも上目遣いをして、狙ってくる。ほんとは、可愛いというのを自分の武器にしていると...思う。でも可愛いのも事実なため、仕方ないから卵焼きをいつもあげている。
『あっつ! 美味しぃ〜』
まさに子供みたいな顔して、モグモグと食べている。時計がチクチクと音を鳴らして、動いている。時計は1:30を刺している。次の講義開始は1:45。彼氏にかまっているせいであまり昼ごはんを食べることが出来なかったが、まぁ仕方がない。
『そろそろ行くね』
というほんとは別れたくない。まだいたいと思うが、仕方ない。淋しいという感情を心の花瓶に詰め込んで蓋を閉じて言った。
『そんな時間!?るぅちゃんと喋ってるとなんだか、時間が早くすぎてる気がする...』
彼も次の講義があるはずだし、今は就活生なんだから、もう少し時間に対して厳しくなった方がいいと思うが...
『じゃあまた帰りね』
という言葉を残して、その場所を去ろうとした。

その瞬間目の前を車が横切ろうとした。ビィーーーという車のクラクションが耳に鳴り響いた。時計がチクチクとなるほんの数秒の間のことだ。自分は一瞬死を覚悟して目をつぶった。
グッと腰に手を回されて強い力で後ろに引っ張られた。そして、草むらに腰をドスッという音を鳴らして落とした。体制としては彼氏に腰あたりに手を回され、抱きつかれているかのような体制だ。自分は足を前に出し手は固定されていて動けない状態になっている。
『るぅちゃん。大丈夫!?』
自分は少し放心状態になっていたため、少し間を開けてから
『えっ、うん...大丈夫』
なんて言葉を放った。その瞬間腰から手を離し、草むらに寝転がった。
『車来てたのに止まらずに行こうとするんだもん...』
自分は車を確認せずに渡った。ここは公園の草むらと草むらの間の道路。滅多に車を通ることも無いため、自分の中では多分だが大丈夫と少し過信していた部分もあったんだと思う。
『...ごめん。気づかなかったからころんがいなかったら死ぬところだった...』
自分の中で反省をもって彼氏の顔を見あげた。
『大丈夫だから...とりあえずるぅちゃんが怪我しなくてよかった。』
と言って私の唇に暖かいものを与えた。この世でいちばん暖かくて、安心ができるもの。
『改めて次の講義も頑張ってね』
『そういうころんもね』
そんな言葉を残して、注意しながら道路を渡った。

子供ぽくって、元気よく、よくおねだりもしてくるが、そんな彼でも頼れて、自分に暖かいものをくれる人だ。
子供ぽいが実は自分より遥かに大人な彼。
ほんとに子供なのは自分なのかもしれないと思うのと同時に彼への愛がまた落ちたのを感じた。

10/13/2023, 12:13:56 PM