星屑

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10/8/2022, 9:46:15 AM

力を込めて

刈り取った稲を束ねる。

鎌で刈ってから二束を交差するようにまとめて
藁で固く縛る。

秋なのにまるで冬のような寒さの雨の中、
足元の泥で滑りそうになりながら
ひたすら刈って束ねた。

レインコートを着ていても
皆、前髪がびっしょり濡れていて

昔の人はこの作業をずっとやっていたのだと考えて
本当に大変な仕事だと思った。

そしてこの行程を、全て
一台の機械でこなしてしまえることに驚愕した。

技術の進歩をありがたく感じるのと同時に、

基本の昔ながらのやり方を知ることがなによりも
大切なことだと実感した。

10/5/2022, 11:15:37 PM

星座

あの日、真夜中に冬の星座を眺めながら

ひとりで流れ星を探していた。

年に数回の流星群の夜だったから。

通りに面した家の前に立っているのに
誰の気配もなく、

ただ自動販売機の光だけが
存在感を放っていた。

手はかじかんで、顔は冷たくなって
ずっと見上げていたために首も痛かったけれど

ひとつ流れ星を見つけてから
なかなかやめることが出来なくなった。

流れ星を待っている間、
他の星もたくさん見つめて。

それはとても有意義な時間だった。

とても寒かったけれど
きっと私は
また今年も流星群を眺めるのだと思う。

10/3/2022, 12:51:40 PM

巡り会えたら

少しでもいいから、言葉をかわしてみたい

けれど、私のことだから

やっと会えても

遠くから見つめることしかできないかもしれない

なので、手紙を書いてみようと思います。

言葉は気持ちが伴って生まれるものだから

文字でもきっと、想いは届くでしょう。

10/1/2022, 9:26:46 AM

きっと明日も
明後日も

涼しくなってきた風に季節を感じて
何か好きなことをして
やらなければいけないことをして

そうやって、ただ繰り返すのかもしれない。

それでも、同じような日々の中で

知らず知らずのうちに
きっと何かを学んでいるのだと思う。

時には立ち止まって何もせず
何も考えたくなくなることがある。

そして、そう感じても
無理矢理にでも動かなければいけないことも
珍しくはない。

そういう時には
自分にとって栄養になるものをたくさん詰め込んで
なんとか乗り切ることができれば

きっとまたいつか思い切り休める日がくる。

そんなことを頭の何処かで考えながら
今日までなんとかやってこれたから
多分、明日もなんとかなるでしょう。

9/26/2022, 9:42:08 AM

窓から見える景色

意識して記憶を辿ると、しまいこんでいた
何気ない日常の一欠片がよみがえる。

小さい頃、久し振りのぼた雪にはしゃいだ日。
部室からテニス部の練習をこっそり眺めた日。

窓からの景色の記憶だけでも
思っていたよりたくさんあることに気づきました。

ただ、その一瞬のことは覚えていても
その後何があったかは、なかなか思い出せなくて。

それでも、その時の雰囲気や気持ちだけでも
鮮明に浮かんでくるというのは
不思議で面白いことだと思います。

まるで心の中にたくさんの窓があって
そこを覗き込んでいるようで。

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