今までの人生で一番強く「〇〇が欲しい」って思ったのは、たぶん小学1年生ぐらいの時だろう。当時の自分はショベルカーが凄く好きで、図鑑とかおもちゃをたくさん持っていた。ある日、色んな重機が展示されているイベントに連れてって貰い、親と一緒に歩き周っていたら売店があって、そこには精巧に作られたショベルカーのおもちゃが売られていた。自分はそれがどうしても欲しくて親に目茶苦茶ねだったけれど、値段が高過ぎて駄目だと言われた。負けじと駄々をこねたり大声を出したりしたけれど結局買って貰えず、泣きながら腕を引っ張られて帰った。今となってはショベルカーなんてもう1ミリも興味ないのに、今でも少し欲しい気持ちが残っているぐらいだから、本当に欲しかったのだろう。
好きじゃないのに、いつもコーヒーばかり飲んでいる。美味しいなんて一度も感じたことないし、飲むたびに「まずっ」ってなって眉間を歪めているのに、何故か何度も飲んでしまう。小さい頃は「年を取れば美味しくなるのかな」って思っていたが、一向に美味しくなる気配はない。
「ところにより雨」、天気予報で聞く言葉だ。天気予報でふと思ったが、天気を当てるって改めて考えるととんでもなく凄いことなんじゃないか?まず未来のことを言い当てられるってのが凄いし、それに加えて、天気って人間社会に大きな影響与える訳で、台風とか大雨だったら最悪人が死ぬ、そんな大きな出来事をあらかじめ知ることができるのも凄い。
これだ!ってものが中々思い浮かばないが、もしかしたら、小説「檸檬」は自分にとって特別な存在かもしれない。退屈な時とか嫌な事があった時とか悩んでいる事がある時、檸檬を読むと、胸の中にあった鬱屈としたものが和らぐ。おそらく、檸檬の主人公に親近感を持っているからだろう。丸善をレモンで爆破する妄想の所とか特にシンパシーを感じる。自分も暗い感情を抱えている時、爆発とまではいかないが、何か起こらないかなとか思ってしまう。だがそんな考えが湧いたとしても、檸檬を読み終える頃にはほとんど消え去ってしまう。