僕は人に笑顔を届けられる人になりたい。
きっかけは、友人と行ったとあるテーマパークのパレードだ。僕はそのテーマパークに行くのは本当に久しぶりだったし、パレードももちろん久しぶりだった。以前よりもずっと大人になってもなお、夢を見させてくれる場所だった。笑顔をたくさんくれる場所だった。
それがわかってからは、視界が開けたようだった。大学に進学したものの、一般企業に就職している未来が全く描けない僕にとっては、最初の鍵だった。
そして今、あの日始まった夢への道を歩いている。
テーマ:夢見る心
何度も音楽に救われた。音楽に支えられてきた。だから、僕もそんな歌を歌いたかった。でも、どんなに歌っても空っぽのまま。空っぽの歌しか歌えないまま。心の中では色んなことを想うのに。こんなにも届けたい想いは沢山あるのに。
届けたい想いだけが心に溜まっていって、誰にも届かないまま沈んでいく。
今日もまた空っぽの歌。いつか空っぽじゃない歌を。
テーマ:届かぬ想い
ねぇ、神様。
僕は一度だって神様がいるなんて信じたことはない。特にあの日からずっと。
でも、もし本当にいるのなら、僕に力をくれ。僕の大切な人を殺した、僕の日常を壊したヤツに復讐する力をくれ。
それだけでいい。あの人が望んでないのはわかってる。でも、それでもいい。僕の自己満足で。
でも、僕はあいつを倒したい。あいつに復習してやる。それだけが僕の生きる道。
テーマ:神様へ
爽やかな風と広がる青空。吹き抜けるそよ風が運ぶのは雲と草の香り。その中で私はいつも絵を描いている。隣には相棒のジョン。毎日私と一緒に羊の世話をしているとってもいい子。今日もいつものように目の前に広がる景色を描いていく。私だけの秘密の楽しみ。
テーマ:快晴
茹だるような夏の暑い日、僕はあるひと夏の冒険を思い出す。
僕は幼い頃、両親と妹と一緒に祖父母の家に毎年遊びに行っていた。夏休みとあって、それなりに暑かった。だから、幼かった僕と妹は毎日のように祖父母の家から、海に遊びに行っていた。それと、僕は父と一緒に朝早くに林へ出かけては、カブトムシやクワガタを取って遊んでいた。
その日は、いつもより暑くて蝉のうるさい日だった。
いつもなら誰かが家に残っているのだが、たまたまその日は僕と妹しか家にいない日だった。その頃は広い祖父母の家が新鮮で仕方がなかった。僕にとっても、妹にとっても。いつもなら、両親に怒られるから祖父母の家を探検なんてできないけど、その日だけはチャンスだった。その日をのがせば、いつ探索ができるかなんてわかりゃしない。そう思った僕は、妹を誘って祖父母の家を探索しだした。ここで良い誤算だったのは、妹もこの探索に乗り気だったことだ。
探索を続けていくうちに、おかしいことが起こった。
どんなに廊下を歩いても、行き止まりに行き着かないのだ。祖父母の家は平屋建ての家だった。確かに子供にとってはかなり広い家だったが、それでも行き止まりに行き着かないのはおかしいと幼いながらに思った。そして、その時気づいたのだが、一緒に探索していたはずの妹がいなかった。それに気づいた瞬間蝉の声が一層うるさくなって、意識が遠のいていった。次に目を覚ました時には、夕方で広間の真ん中で寝てしまっていたようだ。妹は広間の隅で遊んでいた。僕が声をかけると起きたことに気づいたようでおはようなんて呑気に言ってきた。おかしい。僕は妹と祖父母の家を探索していたはずで、その間に妹とはぐれて、なんて混乱していると、考えていたことが声に出ていたのか、
「探索なんてしてないよ?お兄ちゃんずっとそこで寝てたじゃん。変なの。」
と言われてしまった。
それなら、あのやけにリアルな経験はなんだったんだろうか。あれから何年も経った今でも、僕はこの出来事の真相を知らない。
お題:遠くの空へ