お題:「燃える葉」
偶然だった。ふと顔を上げると山が紅葉で真っ赤に染まっていた。夕日も相まって燃えているようだと思った。綺麗だと思った。それと同時に何故か不気味で早く逃げなければと思った。そこからは一度も顔を上げずに足早に家に帰った。眠る前、ふと思い出した。よく考えると今は十月だが、まだ月初めで紅葉には早い。それにあの道で顔を上げたとて山は見えないはずだ。
じゃあ、あの帰りに見えていたモノは?
わたしは遠い未来の自分と約束した。「いつか自分なりの形で夢を叶える」って。そのために、今を生き抜く。
お題:遠い約束
はじめまして。僕はここで花屋をやってるんだ。え?花なんてどこにもない?ふふ、ここはね、心の花屋、なんだ。人間はね、みんなそれぞれ違う花を心の中で育ててるんだ。刺がある花、毒がある花、綺麗な花、咲くまでにとっても時間のかかる花。人の数だけ花の種類があるんだ。そしてここにはね、自分の育ててる花がどんななのか、どんな風に育ててたのか分からなくなっちゃった人が来るんだ。僕の仕事はそんな迷子の人たちを助けてあげること。人によっては新しい種をあげることもある。
さぁ、君はどんな心の花を育ててるの?
お題:フラワー
懐かしい日々を思い返す度、あいつらの顔が、声が、脳内を駆け巡る。いっつも、バカみたいな茶番をして笑って、意見をぶつけて、涙流して、いくつもの季節を越えた。僕は辛くなる度にあの日々を思い出す。そして、あいつらの笑顔に、笑い声に、背中を押されて、再び日常を駆け抜ける。いつかの未来で再び道が交わると信じて。
お題「たくさんの思い出」
冬になったら、一緒に白に染まる世界を見に行こうよ。
冬になったら、海を照らす朝焼けを見に行こうよ。
冬になったら、寒いねって笑いながら手を繋ごうよ。
冬になったら、風が冷たいねってお互い鼻を赤くして抱きしめ合おう。
冬になったら、その先の春を一緒に待とう。
冬になったら……いや、冬になっても、まだ君としたいことは沢山あるんだ。だから、まだ一緒にいてよ。さよならなんて、言わないで……
お題「冬になったら」