緋鞠

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3/15/2024, 5:11:03 PM

「人ってね、死んだら星になるんだって!知ってた?」

ある夏の日、僕は孤児院に入ることになった。別に話し相手なんていなくても良かった。それなのに彼女は毎日僕に話しかけてきた。好きなことの話、孤児院での生活の話。彼女は重い病気らしい。もう、治らないぐらいに。そのくせに、大人しくするのは嫌いなようで、いつも年下の面倒を見たり、外で走り回ったりしている。
ある日彼女はいつもよりはしゃいでいた。彼女が言うには、人は死んだら星になるらしい。彼女はあの星になりたい、だとか、どんな風に見えるのかな、だとかいろいろと言っていた。
「死んだ人全員が星になったんじゃ、今頃宇宙は星で溢れかえってるよ。」
「もー!夢がないなぁ!こういうのは、想像するのが楽しいんじゃん!」
そんな会話をした気がする。正直あの日の前後の記憶は曖昧だ。なぜなら、翌日彼女は死んだ。元々僕と初めてあった日の時点でもうそこまで長くは生きられないと言われていたらしい。もしも。もしも神様がいるのなら、
「彼女を星にしてあげてください。」
それがきっと、彼女の夢だから。

テーマ:星が溢れる

3/14/2024, 1:57:37 PM

彼の瞳は湖面の様に静かに澄んでいて穏やかだった。でも、彼の瞳はいつも何も映さない。私はそんな彼のことが好きだ。彼の何も映らない瞳は、私だけを映し続ける。

テーマ:安らかな瞳

3/13/2024, 1:45:38 PM

僕が帰ってきてから、ずっと泣きっぱなしで僕に抱きついている君。知ってるよ。新しい環境に行くのが、怖いんだよね。不安なんだよね。分かるよ。僕も同じだから。僕だって新しい環境は、怖いし不安だよ。でもね、君ならきっと大丈夫。僕はずっと隣で君が頑張ってるのを見てきたから。それにね、僕と君との距離が遠く離れても、僕の心はずっと君のそばにいるよ。だから、今は君の心が落ち着くまでいっぱい泣いて。それで落ち着いたら、今度は僕に心からの笑顔を見せて。

テーマ:ずっと隣で

作者のつぶやき:いやー、言われてみたいなーなんてちょっと書きながら思ってました。でも、実際に言われたら逆に落ち着かなくなる気もします。難しいですね。

3/12/2024, 1:13:24 PM

初めてであったあの日のことを、僕は正直覚えていない。気づいたときには、もう大好きだった。他のものなんて目に入らないくらい引き込まれた。周りなんて気ならないくらい夢中になった。それからずっとそばにい続けてるのに、嫌いになることも飽きることもない。むしろ好奇心をくすぐられる。もっと知りたい。どんな音を聴かせてくれるのか、どんなことを教えてくれるのか。
初めてであったあの日から、きっと僕は「音楽」に恋してる。

テーマ:もっと知りたい

3/11/2024, 12:56:48 PM

雨の降る暗い街の片隅。寒さに震える体を抱きしめながら、路上で眠る。あの人は、そんな退屈な日々に光をくれた。色をつけてくれた。あの人はマフィアっていう組織の一番偉い人らしい。本当はとても怖い人と誰かが言っていた。でも、僕にはとても優しくしてくれた。住む家も、食べ物も、服もくれた。知らないことばかりの僕にたくさんのことを教えてくれた。しかし、そんな穏やかな日も長くは続かなかった。
ある日、用事で街に出ていた僕を出迎えたのは、荒らされた家と既に冷たくなったあの人だった。ずっと後になってから知ったことだが、あの日僕が出かけたあとあの人に恨みを持っていた人たちが襲撃を仕掛けたらしい。
そして、あの日から僕は女であることを捨てた。髪を短くして、あの人がいた組織に入ってとにかく訓練を重ねた。
あの運命の日から数年が経った今、僕はとうとうあの人と同じ場所に、この組織のトップに立つ。
さぁ、僕の復讐劇の始まりだ

テーマ:平穏な日常

作者のつぶやき
平穏とは……?な作品になってしまった。ちょっとシリアスチックになっちゃうのは癖なのだろうか。あと、やっぱり僕って言わせちゃう。まぁ、私は好きなのでいいんです。

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