緋鞠

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雨の降る暗い街の片隅。寒さに震える体を抱きしめながら、路上で眠る。あの人は、そんな退屈な日々に光をくれた。色をつけてくれた。あの人はマフィアっていう組織の一番偉い人らしい。本当はとても怖い人と誰かが言っていた。でも、僕にはとても優しくしてくれた。住む家も、食べ物も、服もくれた。知らないことばかりの僕にたくさんのことを教えてくれた。しかし、そんな穏やかな日も長くは続かなかった。
ある日、用事で街に出ていた僕を出迎えたのは、荒らされた家と既に冷たくなったあの人だった。ずっと後になってから知ったことだが、あの日僕が出かけたあとあの人に恨みを持っていた人たちが襲撃を仕掛けたらしい。
そして、あの日から僕は女であることを捨てた。髪を短くして、あの人がいた組織に入ってとにかく訓練を重ねた。
あの運命の日から数年が経った今、僕はとうとうあの人と同じ場所に、この組織のトップに立つ。
さぁ、僕の復讐劇の始まりだ

テーマ:平穏な日常

作者のつぶやき
平穏とは……?な作品になってしまった。ちょっとシリアスチックになっちゃうのは癖なのだろうか。あと、やっぱり僕って言わせちゃう。まぁ、私は好きなのでいいんです。

3/11/2024, 12:56:48 PM