ゆらゆらと靡く秋桜
空高く流れる雲
アキアカネを追い掛ける子どもの声
何時の時代でも変わらない情景
自然な野原や空き地は少なくなったけど
あの頃に帰れるならば
もう一度あの秋桜がいっぱいに咲いている
野原に行ってみたい
秋桜の迷路の中を
あの時に仲良かったあの子と
もう一度巡ってみたい
秋風に揺れる花瓶の秋桜は
遠い昔の記憶を
呼んでくれた
「一輪の秋桜」
お酒は嫌いじゃないの
でも飲まなきゃいけないということもない
たまに皆と集まった時に
楽しみながら飲むだけで充分
だけど
今 目の前で
大好きなあの人が
私じゃない女の子の肩に手を回して
嬉しそうに結婚の報告をしている
涙を堪えて出来るだけ笑顔で
お祝いの言葉を言ってあげたいから
今日は自分の想いを隠せるくらいに
いつも以上に飲ませて
「今日だけ許して」
忘れ物を取りに教室へ入る
しんとした部屋を夕陽が染める
校庭から聞こえる小さい声
昼間の騒がしさ息苦しさは全くなかった
早く帰らないといけないのはわかってる
だけど
やらずにはいられなかった
黒板にバカヤローと大きく書いた
学校が嫌いだった
この場所が嫌いだった
あいつらが殺してやりたい程に嫌いだった
そんな事書いたところで何かが変わる訳ではない
ため息をついて文字を消した
明日もここに来るのか
憂鬱な気分で夕陽に焼けた教室を振り返り
このまま燃やしてくれと思いつつ
そっと教室の扉を閉めた
「誰もいない教室」
子供の頃に家族で遊びに行った
今は無き遊園地
日が暮れて電飾に飾られて回る回転木馬
軽やかな音楽に合わせ
ゆっくりと動く馬と馬車
幼い自分には夢のような光景だった
これに乗ればシンデレラになれるかも
なんてバカなことを考えたのを覚えてる
時の流れは無情なもので
ニュースであの遊園地が閉園すると聞いた
あのキラキラ輝く回転木馬は
永遠に時を止め
夢の世界のみで回り続ける
「心の中の風景は」
記憶は美化されるものだけれども
それでも忘れられないものってあるよね
楽しかったこと
美味しかったもの
一緒にいた人が違うだけで
いつもの出来事も特別になる
憧れの先輩と一緒に
ポテトを食べながら歩いた帰り道
その日は何故か2人だけだった
優しくて背の高い人気のある先輩
ドキドキしながら
いつものように話しながら
特別な時間を喜んでいたっけ
いつまでもこの道が続くといいのにと
わざとゆっくり歩いてみたな
夕焼け空の下り坂を歩くと
その時のことを今でも思い出す
先輩の笑顔と夕日
どっちも眩しかった若かりし日の思い出
「きっと忘れない」